環境省はデコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)の一環で、再生可能エネルギー導入の拡大により生じる昼の余剰電力を有効活用し、脱炭素につながるライフスタイル転換を促進するための実証事業を、Nature株式会社及び関西電力株式会社と共同で10月21日から11月30日までの間、実施する。
デコ活とは、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、二酸化炭素(CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む〝デコ〟と活動・生活を組み合わせた新しい言葉。
近年、再エネの導入拡大により出力制御エリアは全国に拡大し、電力需要の減少等の影響により、足元の出力制御量は増加傾向にある。この状況を改善する方策の一つとしては、昼間の電力需要を創出することが効果的である。このため、デコ活では、昼の余剰電力を有効活用する新しい暮らしの在り方の絵姿(※)を描いた上で、昼の電力利用への行動変容と、それによる生活者の利益・利便性を訴求していく。
実証事業では、昼間の電力需要の創出に向けて、ディマンド・リスポンス(Demand Response:DR)(消費者が賢く電力消費量を制御することで電力需要パターンを変化させること)のうち、「上げDR」(DR発動により電気の需要量を増やすこと。例えば、再エネの過剰出力分を需要機器を稼働して消費したり、蓄電池やEVへ充電することにより吸収したりすることを指す)を促す取組を実施する。具体的には、「機器制御型」のDR(対象機器(エコキュート、蓄電池、EV等)をIoT機器を活用して自動制御するDR)と「行動変容型」のDR(各消費者が自ら対象機器を主導で制御するDR)を通じて、昼の電力利用へのシフトに向けた効果や消費者の利益について検証する。この事業は、これまでIoT機器を活用して家電、蓄電池やV2H等のエネルギー機器の自動制御機能の充実に取り組んできたNature株式会社、関西電力株式会社と共に取り組む。
環境省は実証結果をもとに国民・消費者に対して昼の電力利用へのシフトの利益やメリットを提示し、脱炭素につながる豊かな暮らしの実現と2050年ネットゼロ及び2030年度削減目標に向けて取り組んでいく。