全ての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度が今年度から始まる。介護現場にとって欠かせない準備の1つが、「GビズID」のアカウントの取得だ。
国は介護事業者が経営情報を報告するツールとして、新規の「介護事業財務情報データベースシステム」を開発中。来年1月から運用を開始する予定だ。
このシステムのログインに、GビズIDのアカウントが必要不可欠となる。厚生労働省は今月2日に出した通知で、全ての介護事業者に「お願いしたいこと」としてその取得を要請した。
GビズIDは、法人・個人事業主向けの共通認証システム。アカウントを取れば1つのIDとパスワードで、例えば補助金の申請や社会保険の手続きなども含め、複数の行政サービスへ効率的にアクセスできるようになる。デジタルファーストの理念のもとで政府が整備しているプラットフォームで、利用できる行政サービスも順次拡大中だ。
GビズIDのアカウントはプライム、メンバー、エントリーの3種類。行政サービスによって必要なアカウントは異なるが、例えば介護サービス情報公表システムや電子申請届出システムを利用する場合は、プライムやメンバーでのログインが求められる。
厚労省は今月20日に公表した新たな制度のQ&Aで、GビズIDのアカウントを取得する方法、運用する方法などの解説を、今年秋頃を目処に周知すると改めて説明。既にプライムのアカウントを持っている介護事業者については、「経営情報の報告のために新たにアカウントを取得する必要はない」とした。