来年卒業予定の大学生が就職活動全体で費やした費用は平均8万4434円で、前年比1529円増加したことが、(株)リクルートの就職みらい研究所の調査で明らかとなった。交通費などの項目で前年と比べて平均金額が増えたというが、コロナ禍前の2020年と比べると約5割の水準にとどまっている。
公務員対策費は14万6千円
2025年卒大学生が6月12日時点で就職活動に使用した金額は、平均8万4434円。地区別では、北海道・東北が前年よりも2万3385円増と大幅にアップ。中部も1万925円増えた。関東は2729円増加したものの、近畿は1224円減った。集計対象者数が少ないために参考値となるが、中国・四国3万4473円、九州も1万5529円ダウンした。
使用した金額の内訳をみると、「交通費」「公務員試験対策費」「スキルアップ費用」などの項目で、前年に比べて平均金額が増加した。このうち全国平均2万4510円となった交通費は、関東(1万8629円)と中部(2万5319円)でそれぞれ前年に比べて約4000円増加したが、コロナ禍前の2020年卒と比べると約5割の水準にとどまっている。
公務員試験対策費の平均額は14万582円(24年卒12万4893円)で、スキルアップ費用は2万6567円(24年卒2万3431円)。
一次面接はオンライン、最終は対面
調査では、説明会や選考に参加する形態の希望に関しても尋ねた。その結果、各プロセスで参加する形態を選ぶことができる場合、オンラインと対面のどちらを希望するか聞いたところ、説明会は「オンラインでの実施を希望する」が37.9%で最も高かった。次いで「どちらかというとオンラインでの開催を希望する」が33.1%と続いた。「対面での実施を希望する」は6.2%、「どちらかといえば対面での実施を希望する」は9.7%。「どちらともいえない」は13.1%だった。
また、一次面接は「オンラインでの実施を希望する」と「どちらかといえばオンラインでの実施を希望する」の合計が72.0%を占め、対面は2割弱という結果となった。一方で、最終面接は「対面での実施を希望する」が48.9%で最多。「どちらかといえば対面での実施を希望する」も23.1%となり、7割以上が対面を望んでいることが明らかとなった。「オンラインでの実施を希望する」「どちらかというとオンラインでの実施を希望する」合計で15.5%。
さらに、実際に経験した各プロセスの参加形態について聞いたところ、「オンラインのみ」の割合は24年卒と比べ、プロセスでも減少。説明会と一次面接では「オンラインのみ」と「どちらかというとオンラインが多かった」の合計が7割を超えたが、最終面接では「対面のみ」が47.8%と最も多く、前年比で増加。学生の希望を捉え、企業は各プロセスでオンライン・対面の使い分けを行っているようすが浮き彫りとなった。
3月~6月の就職活動時間減少
また、「学業」「就職活動」「プライベート」の時間の割合に関してもアンケートしたところ、前年・前々年に比べて、3月中~6月中の就職活動が占める割合が減少していることも明らかとなった。「学業」「就職活動」「プライベート」時間の割合は、2月中が21.8%、42.4%、35.8%、3月中が18.2%、44.2%、37.6%、4月中が29.4%、33.0%、37.0%。
5月中は32.5%、28.1%、39.5%、6月中は35.6%、19.8%、44.5%となった。