2月29日に日中韓三国の物流に関する協力について議論するため、「第9回日中韓物流大臣会合」が中国・天津市で開催され、上原国土交通審議官が出席した。会合は約6年ぶりの対面開催となり、協力関係をさらに進展させること等について合意した。また、同日、新しい試みとして、日中韓の政府と、日本企業を含む民間企業が意見交換を行う「日中韓物流官民対話」も開かれ、各国の物流政策や民間企業の取組等について、情報共有や意見交換が行われた。
第9回日中韓物流大臣会合では、これまでの共同声明や行動計画に基づく取組による成果や、今後の協力の方向性について議論を行い、「共同声明」として採択した。
今後、共同声明に基づき、①強靭な物流ネットワークの推進、②シームレス物流システムの実現、③環境にやさしい物流システムの構築、の目標に沿って、行動計画に盛り込まれた11のプロジェクトについて、具体の協力を推進させていくことになる。
我が国としては、東南アジアを含む地域におけるパレットの標準化やそのリターナブル利用等について、具体の取組を進めていくこととしている。
【我が国主導の取組】
(行動計画5)輸送機器の標準化
・中国や韓国と協力し、また、アジアパレットシステム連盟(APSF)と連携してASEAN諸国等における標準パレットの使用を促進。
(行動計画7)シームレス物流システムの実現
・日中、日韓、中韓それぞれの国の事情を踏まえつつ、トレーラーシャーシの相互通行を推進。
(行動計画11)環境にやさしい物流政策の導入
・国際物流におけるリターナブル物流容器(RTI)の使用促進を目指し、パレットの繰り返し利用に係るパイロット事業(現在実施中)の結果を踏まえ、実装を推進。
日中韓物流官民対話では、各国政府が自国の物流政策について発表するとともに、中国で活躍する日本企業を含む各国企業が物流DX等最新の取組を紹介したうえで、意見交換を実施した。