文部科学省が募集していた平成28年度広報啓発映像・ポスターの優秀作品が決まった。最優秀賞に当たる文部科学大臣賞は、広報啓発映像が岐阜県立岐阜総合学園高等学校マルチメディア部A、広報啓発ポスターは同校3年近藤寛子さんに贈られることになった。
大臣賞を受賞した広報啓発映像は、高校生と思しき主人公の青年が悩みや不安から薬物の誘惑に取り込まれそうになるが、自らの強い意志で誘惑の声を断ち切り「ノー!ドラッグ」を宣言するというもの。
映像の製作意図について岐阜総合学園高校マルチメディア部Aの部員は、「私たちは日々悩みや不安を抱えています。時には悩みや不安に押しつぶされそうになり、逃げ道を求めようとすることもあります。そうした不安や悩みに付け込んで誘惑してくるのが薬物です。しかし、薬物は一度使っただけでその人の人生が壊れてしまいます。薬物に頼らずに自分の力で悩みや不安と向き合う姿を表現しました」と説明している。
文科省では今後、全国高校野球選手権大会やJリーグのリーグ戦、全国高校総体などの競技場の大型ディスプレイにおいて、試合前、試合途中などを利用して放映することとしている。大臣賞のほかの広報啓発映像の優秀作品は、岐阜県立岐阜総合学園高校マルチメディア部B、相愛学園放送部が選ばれた。
文科大臣賞の広報啓発ポスターのタイトルは「NO!DRUG!私は薬物なんていらない!」。女子高校生と思われる女性が支援する仲間たちをバックに、力強く右手で薬物はいらないと宣言している姿が描かれている。文科省では、全国の高校などに配布し、掲示する方針だ。
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薬物乱用防止広報啓発活動については、国の薬物乱用対策推進会議が平成25年8月に、第四次薬物乱用防止五か年戦略を策定。「青少年、家庭及び地域社会に対する啓発強化と規範意識向上による薬物乱用未然防止の推進」を目標の一つに掲げ、広報啓発活動の強化として、薬物乱用の有害性・危険性についての正しい知識の普及を図ることとしている。
また、平成26年7月には、危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策を策定し、危険ドラッグの実態把握の徹底と啓発強化などを推進している。
文科省においては、五か年戦略や危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策を踏まえ、薬物乱用防止を訴える広報啓発映像及びポスターを全国の高校生及び高専学生から募集し、同年代の視点に立った広報啓発活動を展開している。