若者の7割がわが国将来に不安を持っていることが、日本財団が17歳から19歳までのハイティーンを対象に行った意識調査で明らかとなった。6割は自分の将来についても、「不安がある」と感じているという。また、今年1月にスタートした新NISA制度(小額投資非課税制度)については、4割以上が認知しており、投資による資産形成は「関心がある」との回答が4割を占めた。
日本財団は、〝18歳調査〟と銘打って、これまで憲法前文や新型コロナワクチン、ウクライナ情勢など多岐にわたるテーマで若者の意識をインターネットにより聞き取ってきた。60回目となる今回は、昨年注目浴びたトピックとして、
①GDP、②新NISA、③モビリティ―の3項目に関する調査を行った。
GDP意識調査は、IMF(国際通貨基金)がわが国GDP(国内総生産)について世界3位から4位への転落を予測するなど、国力の陰りがみられることを踏まえて、日本の将来に対する意識を調べたもの。名目GDPランキング低下を「知っていた」と回答したのは全体の3割弱。性別では男性は3割以上が「知っていた」と答えた。女性は2割未満。
GDPランキング低下を踏まえ、全体の7割が日本の将来について「不安がある」とし、また、自分の将来は約6割が不安を抱えていることがわかった。
わが国GDPランキングは、全体の7割が「今後も下降する」もしくは「どちらかというと今後も降下する」とネガティブな意見。男性は女性よりも「今後も降下する」と回答した割合が11・3㌽高かった。
新NISA、具体の認知は低い
今年1月に始まった新NISA制度が始まることは、全体の4割以上が認知。具体的な内容も含めて知っていたのは男性は約10%、女性は約5%と低い。投資による資産形成は、全体の約4割が関心を示しており、男性は「関心がある」が「ない」との回答を上回る一方で、女性は「関心がない」との回答が「ある」を上回った。
最も魅力的な投資先の最多回答は、「わからない・現段階で具体的にイメージしているものはない」。男性の約5割、女性の約6割を占めた。この回答を除くと、女性は「国内株式」、男性は「外国株式」との回答が最も多かった。
最も魅力的な投資先については、投資による資産形成に関心のない人の約8割、投資による資産形成に関心がある人でも3割が「わからない・イメージしているものはない」と答えた。この回答を除くと、投資による資産形成に関心がある人は「外国株式」、投資による資産形成に関心がない人は「国内投資」との回答が最多となった。
投資による資産形成に関する情報に触れた媒体としては、テレビ、インターネット、エックス(旧ツイッター)、ユーチューブの順に多かった。
将来のモビリティ、期待の反面不安も
今回の調査では、自動車やモビリティ(ヒトやモノの移動)に対する考えも聞いた。将来の自動車・モビリティに対して期待することとしては、「事故を減少する」「道路渋滞が解消する」「移動による環境負荷が低減する」ことの順に多く挙げられた。一方で、不安に感じていることの回答は、「高齢化によって高齢者の事故が増える」「各種機能の誤作動により乗り物の制御ができなくなる」「自家用車の保有コストが増加する」ことの順。
一定の年齢に達したら免許返納を義務化するという考え方については、全体の8割近くは「賛成」。免許返納を義務化すべき年齢のイメージとしては「70歳」との回答が最も多く、全体の約3割を占める。全体の3割は高齢者講習の対象外である「60歳以下」もしくは「65歳」をイメージしているという。