内閣府がまとめた2022年度(令和4年度)国民経済計算年次推計によると、令和4年度の名目国内総生産(GDP)(支出側)は前年度比2.3%増と2年連続のプラスで、実質国内総生産(GDP)(支出側)については、同1.5%増と2年連続のプラスとなったことがわかった。
実質GDPに交易利得・損失(交易条件の変化に伴う実質所得(購買力)の変化)を加えた実質GDI(国内総所得)は、令和4年度は公益損失の拡大により、前年度比0.3%減の535.1兆円と減少に転じた。
また、実質GDPに海外からの所得の総受取(海外からの所得の受取-海外に対する所得の支払)を加えた実質GNI(国民総所得)は、同0.4%増の567.1兆円で2年連続の増加となった。
令和4年度の国民所得(要素費用表示)は前年度比3.3%増の409.0兆円で2年連続のプラスとなった。内訳では、雇用者報酬が同2.4%増の296.4兆円と2年連続のプラス、財産所得が同12.1%増の30.3兆円と3年連続のプラス、企業所得が同3.9%増の82.2兆円と2年連続のプラスとなった。
労働分配率(国民所得に占める雇用者報酬の比率)は72.5%となり2年連続で低下した。
令和4暦年の経済活動別(産業別)GDPの構成比(名目)をみると、第1次産業(農林水産業)のシェアは1.0%と横ばいとなった。また第2次産業(鉱業、製造業、建設業)のシェアは24.7%と低下し、第3次産業(その他)のシェアは74.3%と上昇した。
令和4年度の制度部門別純貸出(+)/純借入(-)(対名目GDP比)については、一般政府が▲3.6%とマイナス幅が縮小した一方、家計と非金融法人企業がそれぞれ2.4%、0.4%にプラス幅が縮小した。こうしたことにより、一国全体の純貸出・純借入については1.4%、実額で見ても8.1兆円と2年ぶりにプラス幅が縮小した。
令和4年度の一般政府の財政状況を、純貸出(+)/純借入(-)から利子(FISIM調整前)の受払による増減を控除した、いわゆる「プライマリーバランス」(対名目GDP比)でみると、中央政府(▲4.7%)はマイナス幅を縮小し、地方政府(1.1%)のプラス幅は拡大となったことから、一般政府全体では▲3.2%と2年連続でマイナス幅が縮小した。なお、社会保障基金はプラス幅が拡大した(0.4%)。
一人当たり名目GDP、名目GNI、国民所得、実質GDPについて、令和4年度は、一人当たりの名目GDPが453.5万円となり、前年度より12.4万円増加(2年連続の増加)した。また、一人当たりの名目GNIが480.7万円となり、同16.5万円増加(2年連続の増加)、一人当たりの国民所得(要素費用表示)が327.4万円となり、同12.0万円増加(2年連続の増加)、一人当たり実質GDPが441.7万円となり、同8.6万円増加(2年連続の増加)となっている。