10月8日から12日まで、国連主催のインターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023(IGF京都2023)が国立京都国際会館(京都市)で開催された。同会合のDay0(10月8日)において、偽・誤情報対策に関し、総務省が連携・協力したセッションが開催されるとともに、その中で、G7各国における多様な関係者による偽情報対策に関する既存プラクティス集「Existing Practices against Disinformation(EPaD)」が公開された。
インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)は、インターネットに関する諸課題について、政府、民間、技術・学術コミュニティ、市民社会等のマルチステークホルダーが対等な立場で対話を行うインターネット政策の分野で最も重要な会議の一つ。
総務省が連携・協力した偽・誤情報関連セッションのうち、HIGH LEVEL LEADERS SESSION II Evolving Trends in Mis‐ & Dis‐Informationでは、偽・誤情報対策について、生成AIによる影響、これまでの取組を踏まえた教訓、被害をうけるコミュニティを守るための対応、規制上の課題、情報の生産者・消費者としての在り方について議論された。
また、偽・誤情報による影響として、認知過程への浸食、自由な意思の喪失、感情の兵器化、女性、難民、人種的・民族的少数者、LGBTQ+などに対するヘイト等があげられた。
また、偽・誤情報対策として、「デジタル立憲主義」や表現の自由等の人権保護等による共通の原則や価値の共有、国際的な規範などの必要性が示された。
さらに、2024年には、複数の民主主義国家において選挙が実施されるなど、今後、偽・誤情報対策は一層重要になっていくとの認識が共有された。
Sharing“Existing Practices against Disinformation(EPaD)”では、モデレータにより、EPaDが紹介され、G7各国等による偽・誤情報対策に関する民間企業や市民団体を含むマルチステークホルダーによる既存プラクティスが共有された。
また、各パネリストにより、偽・誤情報対策に関する取組が発表された。
さらに、偽・誤情報対策として、デバンキングのみならず、偽・誤情報が出現する前の未然の取組であるプリバンキングなどの必要性が示された。
偽・誤情報対策において、プラットフォーム事業者やテック企業等の民間企業、メディア・ジャーナリスト・ファクトチェック機関、法律家、アカデミア、個人・市民社会や政府等のマルチステークホルダーによる地域や国境を超えた連携・協力の重要性が共有された。