介護サービスの運営基準などを見直す際に、国はしばしば一定期間の「経過措置」をセットで設ける。これは言わば移行期間、または準備期間にあたるもので、介護施設・事業所がその見直しに適切に対応できるようにする配慮だ。
現在は適用中だが今年度いっぱいで終了する「経過措置」が複数ある − 。厚生労働省は4日、そのことを現場の関係者に改めて伝える通知を発出した。
2021年度の介護報酬改定で決められた運営基準などの見直しとともに導入され、タイムスパンは3年間と定められたものが該当する。10月に入って期限まで残り半年をきった。
厚労省は通知で、「運営基準などを満たすことができているかご確認いただき、必要な対応をお願いします」と呼びかけた。介護保険最新情報のVol.1174で広く周知している。
今年度いっぱいで廃止される「経過措置」は以下の7種類。介護事業者は来年度を迎える前までにしっかり対応しておく必要がある。
= 来年3月31日で終了する「経過措置」=
(1)感染症対策の強化 ~全サービス~
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施などを義務化。
(2)業務継続に向けた取り組み ~全サービス~
業務継続計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション) の実施などを義務化。
(3)認知症介護基礎研修の義務化 ~全サービス~
無資格の介護職員に認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じること。
(4)高齢者虐待の防止 ~全サービス~
委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること。
(5)口腔衛生管理の強化 ~施設系サービス~
口腔衛生の管理体制を整備し、入所者ごとの状態に応じた口腔衛生の管理を行うこと。
(6)栄養ケア・マネジメントの充実 ~施設系サービス~
入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行うことを運営基準に規定。
(7)事業所医師が診療しない場合の減算 ~訪問リハ~
事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、適用猶予措置期間を延長。