国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の摂食障害全国支援センターは、新たに「福井県摂食障がい支援拠点病院」に指定される福井大学医学部附属病院の運営サポートをしていく。
支援拠点病院は全国で6カ所目、そして北陸地方では昨年の石川県に続き、2カ所目となる。さらに、全国各地での支援拠点病院の指定へ向けたサポートを強化していく。
国内で摂食障害に特化した治療やこれらのサポートが受けられる病院は限られているのが現状。この問題に取り組むため、NCNP摂食障害全国支援センターでは、都道府県ごとに「摂食障害支援拠点病院」を設けることを目指している。
新たに指定される福井県摂食障がい支援拠点病院では、福井県の患者や家族、支援者向けの電話相談を開始する。また、県内での医療連携強化や摂食障害の啓発活動、学校や地域団体との連携を進めていく方針。同センターでは「既存の5支援拠点病院とともに、これらの活動を一層強化していきます」としている。
〈摂食障害とその治療〉
摂食障害は、拒食症や過食症として知られ、特に若い女性に多いと言われているが、実際には年齢や性別を問わず、多くの人がこの病気になる可能性があるという。
日本では約24万人が摂食障害とされ(精神保健福祉資料:2019年NDBデータ)、これは非常に多くの人々が関わっている問題。特に拒食症の死亡率は約5%とされ、治療体制の強化が望まれている。摂食障害の治療は、一つの診療科や病院だけで行うものではない。
内科、心療内科、小児科、精神科など様々な診療科の協力が求められる。さらに、医療機関だけでなく、学校や地域の組織とも連携し、幅広いサポート体制が必要となる。地域での啓発活動や学校関係者との連携も必須となる。