今年4月28日に公布された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」が、10月1日から全面施行された。今般の法改正により創設・拡充された枠組みを含め、あらゆる政策ツールを最大限活用し、利便性・生産性・持続可能性の高い地域公共交通への「リ・デザイン」(再構築)を加速していく。
同法では、目的規定に、自治体・公共交通事業者・地域の多様な主体等の「地域の関係者」の「連携と協働」を追加し、国の努力義務として、「関係者相互間の連携と協働の促進」を追加している。国交省では、地域の多様な関係者の「共創」による地域公共交通の「リ・デザイン」の取組等を支援するため、「共創モデル実証プロジェクト」の公募を行い、「共創モデル実証運航事業」を44件、「人材育成事業」を19件選定した。
また、9月29日付で、長野県松本市・山形村・旭村から申請された「松本地域公共交通利便増進実施計画」を認定した。同計画には、地方公共団体が公共事業者と協定を締結し、安定的な交通サービスの確保を図る「エリア一括協定運行事業」が位置付けられており、同事業が実施されるのは全国初となる。
さらに、地方公共団体又は鉄道事業者は、国土交通大臣に対し、ローカル鉄道のあり方を協議する「再構築協議会」の組織を要請することができるようになる。
交通分野におけるDX・GXを推進する「道路運送高度化事業」の拡充(7月1日施行済み)においては、キャッシュレス決済、EVバス等の導入等の内容を含む道路運送高度化実施計画について、現時点で2件(伊予鉄グループ、茨城交通株式会社)の認定申請があり、10月中の認定に向けて審査中である。
鉄道・タクシーにおける協議運賃制度の創設により、地域の関係者間の協議が調ったときは、国土交通大臣への届出により運賃設定が可能となる。
まちづくりと一体となって行う鉄道・バスの施設整備等について、新たに社会資本整備総合交付金による支援が可能となる。
そのほか、施行に合わせ、「地域公共交通計画等の作成と運用の手引き」の改訂を行っている。