2023年9月29日 景気は緩やかに回復している 基調判断は据え置き 9月の月例経済報告

内閣府がまとめた9月の月例経済報告によると、住宅建設がこのところ弱含んでいるものの、公共投資が堅調に推移していることなどを要因に、「景気は、緩やかに回復している」と基調判断を据え置いた。また、先行きについては、「先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。」としている。

日本経済の動向について、個人消費では、個別の指標について、需要側の統計をみると、「家計調査」(7月)では、実質消費支出は前月比2.7%減となった。販売側の統計をみると、「商業販売統計」(7月)では、小売業販売額は前月比2.2%増となっている。

設備投資は、持ち直している。需要側統計である「法人企業統計季報」(4~6月期調査、含むソフトウェア)でみると、2023年4~6月期は前期比1.2%減となった。業種別にみると、製造業は同1.2%増、非製造業は同2.5%減であった。機械装置の供給側統計である資本財総供給(国内向け出荷及び輸入)は、持ち直しの動きがみられる。ソフトウェア投資は、増加している。

住宅建設は、このところ弱含んでいる。持ち家の着工は、弱含んでいる。貸家の着工は、このところ横ばいとなっている。分譲住宅の着工は、このところ弱含んでいる。総戸数は、7月は前月比4.1%減の年率77.8万戸となった。なお、首都圏のマンション総販売戸数は、おおむね横ばいとなっている。

公共投資は、堅調に推移している。7月の公共工事出来高は前月比1.7%増、8月の公共工事請負金額は同10.8%減、7月の公共工事受注額が同5.6%増となった。

企業収益は、総じてみれば改善している。「法人企業統計季報」(4~6月期調査)によると、2023年4~6月期の経常利益は、前年比11.6%増、前期比9.5%増となった。業種別にみると、製造業が前年比0.4%増、非製造業が同19.0%増となった。規模別にみると、大・中堅企業が前年比9.4%増、中小企業が同23.5%増となっている。

雇用情勢は、改善の動きがみられる。完全失業率は、7月は前月比0.2%ポイント上昇し、2.7%となった。労働力人口及び完全失業者数は増加し、就業者数は減少した。


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