2023年9月19日 未来館、11月に新常設展示 「ロボ」「環境」「老い」の3テーマで

日本科学未来館は、11月22日に公開する「ロボット」「地球環境」「老い」をテーマにした新常設展示について、展示タイトルを含む詳細情報を決定した。「ロボット」は二つの展示空間に分かれ、合わせて四つの常設展示が誕生する。3テーマそれぞれ、さまざまな社会の課題との向き合い方や解決に向けたヒントを、最新の科学や技術に基づく展示体験を通して探る。

「ロボット」の新展示は、これから一層ロボットが暮らしに溶け込む未来を見据え、関わり方を考える。ひとつ目の展示は、『ハロー! ロボット』。コミュニケーションロボットなどとのふれあいや、最新のロボット研究の紹介を通して多様なロボット技術を知り、可能性を体感できる。

二つ目は、人とロボットがともに暮らす未来のまちで起こる物語に参加する展示『ナナイロクエスト ‐ロボットと生きる未来のものがたり』。専用タブレットを使ってまちで起こったトラブルを解決するなかで、人とロボットとのさまざまな関係性に向き合う。最後には来館者同士が多様な価値観を共有し、考えを深める。

「地球環境」の新展示は『プラネタリー・クライシス‐これからもこの地球でくらすために』。音響や振動などの演出や現地で収録した臨場感あふれる映像を用いた、気候変動の影響を受ける太平洋の島国、フィジーの人々の暮らしを体感する大型映像体験から始まる。

急激に変化する地球環境の今を科学的なデータに基づいて捉えながら、人々の暮らしが多様な環境問題を引き起こしている現状を理解し、〝人類に今、何ができるのか〟を探る。

展示の設計・制作の過程でも地球環境へ配慮。国産の木材を主な材料として、普段は廃棄されてしまう木材や枝、制作過程で生じる端材を活用するだけでなく、展示公開終了後に再利用しやすい工夫なども取り入れている。

「老い」をテーマした新展示は『老いパーク』。六つの体験展示を通して、老化により生じる目、耳、運動器、脳の変化を疑似的に体験する。老化現象が起こるメカニズムや現在一般的に取りうる対処法、近い将来身近になるかもしれない研究開発中のサポート技術などを紹介しながら、一人ひとりにとっての豊かな老いとの付き合い方や生き方のヒントをともに考える。

四つの新展示のうち、特に「老い」では、目、耳、運動器、脳の老化現象を、ゲーム要素も取り入れ子どもでも親しみやすく工夫した六つの体験型展示を通して疑似的に体感する企画を用意する。

さらに、老化現象が起こるメカニズムや現在一般的に取りうる対処法、また近い将来身近になるかもしれない研究開発中のサポート技術や、未来の実現を目指して始まった研究などを紹介する。科学技術の側面から、老いに対する不安の軽減を目指し、一人ひとりが自分にとって望ましい老い方や生き方を考えるための選択肢を知ることが可能。

また、すでに老いと向き合っている方々に今後どう生きたいか問いかけるインタビューを見ながら、来館者自身がどのように老いに向かっていきたいか考え、意見を発信することができる。

 

STEAM教育などの活用に期待

展示公開に先立ち、未来館の浅川智恵子館長は、「私たちの社会にはさまざまな課題があります。これらの四つの展示を通して、新しい科学や技術に親しみながら、多様な人々の考え方に触れていただき、よりよい未来への糸口をいっしょに見つけていきましょう」と述べたうえで、STEAM教育や探求学習などの場として活用してもらうことへの期待感を表明している。


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