総務省がまとめたふるさと納税に関する現況調査結果によると、令和4年度の全国計のふるさと納税の受入額は対前年度比約1.2倍の約9654億円で、受入件数は同約1.2倍の約5184万件となっている。
ふるさと納税を募集する際の使途(ふるさと納税を財源として実施する事業等)の選択について、「選択できる」と回答した団体は1745団体(97.7%)、「選択できない」と回答した団体は41団体(2.3%)となった。
「選択できる」と回答した団体における選択できる範囲について聞いたところ、「分野を選択できる」が1677団体(93.9%)、「具体的な事業を選択できる」が431団体(24.1%)であった。また、「具体的な事業を選択できる」と回答した団体のうち、クラウドファンディング型(目標金額、募集期間等を定め、特定の事業にふるさと納税を募るもの)の実施が337団体(18.9%)であった。
使途として選択可能な分野ごとの受入額、受入件数、団体数をみると、受入額では、子ども・子育てが1222億200万円、教育・人づくりが672億100万円、地域・産業振興が622億7800万円、まちづくり・市民活動が497億6100万円、環境・衛生が490億2200万円、健康・医療・福祉が473億900万円、観光・交流・定住促進が283億2800万円、スポーツ・文化振興が210億2700万円、安心・安全・防災が174億9300万円、災害支援・復興が44億8400万円となった。
受入件数では、子ども・子育てが674万2349件、教育・人づくりが345万4007件、地域・産業振興が352万2311件、まちづくり・市民活動が284万9103件、環境・衛生が259万6875件、健康・医療・福祉が252万8192件、観光・交流・定住促進が133万9117件、スポーツ・文化振興が92万4075件、安心・安全・防災が93万2875件、災害支援・復興が26万2855件となっている。
該当団体では、子ども・子育てが909団体、教育・人づくりが974団体、地域・産業振興が1076団体、まちづくり・市民活動が866団体、環境・衛生が1018団体、健康・医療・福祉が1180団体、観光・交流・定住促進が707団体、スポーツ・文化振興伊が761団体、安全・安心・防災が634団体、災害支援・復興が239団体であった。
公表の状況について、「受入額実績・活用状況(事業内容等)の両方を公表している」のが1146団体、「受入額実績のみ公表している」のが264団体(14.8%)、「活用状況(事業内容等)のみ公表している」のが20団体(1.1%)となったが、「受入額実績・活用状況(事業内容等)のいずれも公表していない」と回答した団体は56団体(3.2%)となっている。
寄附者への報告等の状況について、「寄附者に対して、寄附金を充当する事業の進捗状況・成果について報告している」のが863団体(48.3%)、「寄附者と継続的なつながりを持つための取組を行っている」のが776団体(43.4%)であった。
ふるさと納税の募集に要した費用(全団体合計額)をみると、返礼品の調達に係る費用が26872800万円(受入額に占める割合27.8%)、返礼品の送付に係る費用が731億7900万円(同7.6%)、広報に係る費用が66億8200万円(同0.7%)、決済等に係る費用が197億2100万円(同2.0%)、事務に係る費用等が834億2100万円(同8.6%)となり、合計では4517億3100万円(同46.8%)となっている。
令和5年度課税における住民税控除額の実績等についてみると、ふるさと納税に係る住民税控除額の実績は対前年度比約1.2倍の約6798億円で、控除適用者数は同約1.2倍の約891万人であった。