総務省は、国民の就業及び不就業などの就業構造を全国及び地域別に明らかにするため、2022年(令和4年)10月に全国の約54万世帯(15歳以上の世帯員約108万人)を対象に調査を実施した。その結果、2022年(令和4年)10月1日現在の有業者(ふだん収入を得ることを目的として仕事をしており、調査日(2022年(令和4年)10月1日)以降もしていくことになっている者及び仕事は持っているが現在は休んでいる者)は6706万人で5年前に比べ85万人増加し、無業者は4313万人で同163万人減少したことがわかった。また、有業率(15歳以上事項に占める有業者の割合)は60.9%で5年前と比較して1.2ポイント上昇した。
従業上の地位・雇用形態についてみると、「自営業主」は511万人、「雇用者」が6077万人であった。
会社などの役員を除く雇用者を占める割合をみると、「正規の職員・従業員」が63.1%で5年前と比較して1.3ポイント上昇し、「非正規の職員・従業員」が36.9%で同1.3ポイント低下した。
テレワーク実施の有無・頻度及びテレワーク実施の場所についてみると、1年間のうちテレワークを「実施した」者は1265万人で、有業者に占める割合は19.1%となった。
テレワーク実施の頻度(年間)は「20%未満」が654万人で最も多く、次いで「80%以上」が226万人となっている。
テレワーク実施の場所は「自宅」が1185万人で最も多かった。
職業大分類別に有業者に占める「実施した」割合をみると、「専門的・技術的職業従事者」が32.2%で最も高い。
副業がある者及び追加就業希望者について、非農林業従事者(有業者のうち本業の産業が「農業、林業」及び「分類不能の産業」以外の者)のうち副業がある者は305万人で5年前より60万人増加した。
また、非農林業従事者のうち追加就業希望者(現在就いている仕事を続けながら、他の仕事もしたいと思っている者)は493万人で5年前に比べ93万人増加した。
フリーランスの数では、本業がフリーランスの数が209万人(有業者に占める割合3.1%)で、年齢階級別にみると「45~49歳」が24万人で最も多い。
産業大分類別に有業者に占める割合をみると、「学術研究、専門・技術サービス業」が13.5%で最も高い。
育児をしている者及び介護をしている者の就業状態についてみると、5年前に比べ、育児をしている者に占める有業者の割合は5.9ポイントの上昇(79.2%→85.2%)となった。
また、5年前に比べ、介護をしている者に占める有業者の割合は2.8ポイントの上昇(55.2%→58.0%)となった。
都道府県の就業構造について、都道府県別に有業率をみると、東京都(66.6%)が最も高く、次いで福井県(63.5%)、愛知県及び滋賀県(62.8%)などとなっている。
有業率の上昇幅が最も大きいのは大阪府(2.2ポイント)で、次いで北海道、東京都、福岡県及び沖縄県(1.8ポイント)などとなっている。