農林水産省は、4月11日から28日にかけて47都道府県に対して実施した、シャインマスカットの未開花症の発生状況についてのアンケート調査の結果をとりまとめて公表した。
それによると、シャインマスカットの未開花症の発生については、作付けされている46都道府県のうち30において、東北から九州まで広く発生が確認された。さらに、発生していると回答があった30のうち、19において品質・収量の低下の発生報告があった。
また、回答では、発生した年や地域について一定の傾向がみられず、園地や樹体によって発生のしかたが異なっており、発生に一定の傾向はみられないとの回答が多くを占めた。
発生の要因については、極端な気象要因、着果負担、施肥量、養分の多寡、樹勢など、様々な要因の可能性が報告される一方、要因に一定の傾向がみられないことなどから、回答のない県も多くみられた。
農林水産省では、今後の対応として、今回のアンケート調査の結果を踏まえ、さらなる原因究明、対策の確立に向けて「緊急対応課題」により発生実態の調査や発生園地の状況調査を進めていくとしている。
未開花症の発生状況や考えられる要因についての情報(主な意見)
発生の状況については、一定の傾向がみられないとする報告として、「同じ地域でも年次、生産者、園地、樹体により発生程度にバラツキがある(28件)」、「一部の園地など局所的な発生が多い(18件)」、「日照の多寡、露地・ハウス、排水性の良悪に関わらず発生している(10件)」、「隣接した園地においても発生の有無がある(2件)」といった回答が寄せられている。
また、発生の状況に一定の傾向がみられるとする報告としては、「花穂の先端部分での発生が多い(6件)」、「強勢の樹体で多く発生している(4件)一方で、弱勢(3件)、樹勢良好(1件)でも発生がみられる」、「短梢剪定で発生がみられる(5件)」、「施肥量が多い園地で発生している傾向がある(4件)」、「着果過多の園地や樹体で多い傾向がある(3件)」、「シャインマスカット以外の品種においても同様の症状が確認されている(5件)」といった回答があった。
考えられる要因(主な意見)
要因については、具体的な意見がなかった回答として、「記載はなかった(31件)」、「発生事例に一定の傾向がないため、要因があきらかになっていない(3件)」、「複数の要因が関与しているのではないか(2件)」、「発生件数が少なく、確かなことはいえない(2件)」といった意見があった。
具体的な意見として、「気温(高温・低温)(6件)や湿度(乾燥・多湿)(3件)の影響など気象要因の可能性がある」、「着果負担の影響があるのではないか(4件)」、「施肥量(2件)、養分不足や樹勢の強弱(各1件)が関係しているのではないか」、「開花以前の比較的長い期間の影響を受けているのではないか(2件)」といった声が寄せられている。