東京都は24日、高齢者を見守る重層的なネットワークを構築していくための協定を、東急グループや日本郵便、イオンなど新たに20事業者・団体と結んだ。日々の業務で接する高齢者を支えてもらうほか、異変を速やかに共有して適切な対応につなげる仕組みを作っていく構想だ。
この協定は、コンビニやタクシーの大手各社、東京電力グループ、新聞販売組合などの同意を得て、都が昨年3月に初めて締結したもの。区市町村や地域包括支援センター、警察、消防などに情報を提供してもらい、1人暮らしや認知症の高齢者の生活を共にサポートしたり、徘徊で行方不明になった人の捜索で連携したりすることを想定している。
今回は3大銀行や信用金庫協会、商店街連合会なども参加。事業者・団体は合計47に増えた。都によると、新たにコミットする店舗・事業所は約9万ヵ所、営業・配送車両は約1万台にのぼるという。「郵便物がずっと溜まっている」「帰り道が分からなくなっているのではないか」「あの人の姿をしばらく見ていない」。それぞれがサービスの現場で得た気付きを無駄にせず、問題の早期発見・解決に向けて有効に活かせるようにしたい考えだ。
都の担当者は今後について、「高齢者と多く接する企業や団体を中心に、協定の拡大を図っていきたい」と話している。