SOMPOケアは今月から新たな事業「egaku」を始める。これまで蓄積してきた膨大な介護データをサービスの質、生産性の向上に役立てるためのアプリを、他の介護事業者に対して提供していくことが柱だ。
先月下旬に東京ビッグサイトで開催された展示会「CareTEX東京」で、取締役執行役員の岩本隆博氏が「egaku」の意義を力説。「人手が足りない一方で介護ニーズが拡大していく、という今後の局面を打開する仕組みをなんとか作りたい。サービスの質をしっかり担保しつつ、ムリ・ムダ・ムラをなくして効率化を実現する。それが我々のチャレンジだ」と意欲をみせた。
〝介護×データ〟で超高齢社会の課題を乗り越える − 。これが「egaku」のコンセプトだ。
アプリは多くの機能を有するが、例えば利用者の今の状態をより正確に、きめ細かく把握できるようにしたり、今後の状態変化の予測をケアチーム内で共有できるようにしたりする。
これは自立支援・重度化防止の推進という社会的要請に、職員の負担を極力抑えながら応えるソリューションとして開発された。ケアプランの作成・変更や各種カンファレンスの開催、日々の各シーンでのサービス提供など、介護現場の主な業務に幅広く活かすことが想定されている。
「生産年齢人口が減っていくなか、介護だけでなくサービス業全体で人材不足が深刻化していく。私達は変わっていかなければいけない。遠い将来の話ではなく、まさにいま取り組まなければいけない」
SOMPOケアの岩本氏はこう説明。「介護職の働き方を変える、業務のプロセスから変える。それがご利用者様に還元され、最終的には介護事業者にも還元されるというループを回していきたい」と語った。
あわせて、「今後もデータの更なる充実を図らなければいけない。多くの介護事業者さん、システムベンダーさんなどと一緒に走っていきたい。ご賛同頂ける方にぜひ活用して頂き、大きな社会課題を解決するために共に汗を流したい」と呼びかけた。