総務省消防庁は3月31日、昨年の救急車の出動件数が722万9838件だったと公表した。前年からは103万6257件(16.7%)増加し、初めて700万件を突破。搬送人数は621万6909人で前年比72万5165人(13.2%)増え、こちらも初めて600万人を超えた。これにより、救急出動件数と搬送人員ともに集計開始以来で最多を更新している。
事故種別ごとの理由別では、急病が489万8917件(67.8%)で最多。次いで、一般負傷が110万1249件(15.2%)、交通事故が38万3060件(5.3%)で続いた。5年ごとの推移をみると、急病の割合が増加している一方で、交通事故の割合は減少している。
事故種別ごとに搬送された人をみても、急病が418万9220人(67.4%)で最多だった。一般負傷が98万2901人(15.8%)、交通事故が34万7214人(5.6%)と割合は件数と比例。こちらの5年後との推移も、急病の割合が増える一方、交通事故の割合は減っていた。
搬送された人を年齢別でみると、65歳以上の高齢者が386万2874人(62.1%)で最も多い。割合を5年ごとの推移でみると、高齢者が増加傾向にあることがわかった。具体的には、2012年に初めて半数以上になった後、今回の調査で初めて6割を超えている。
傷病の重さ別では、軽症(外来診療)が293万8525人(47.3%)、中等症(入院診療)が270万4042人(43.5%)、重症(長期入院)が47.万8775人(7.7%)となっている。
都道府県ごとに前年度との比較をみると、減少した地域はなし。増加率が一桁だったのは岩手県のみだった。増加率が20%を超えたのは、沖縄県の21.1%、埼玉県の20.2%、佐賀県の20.1%の3ヵ所となっている。