横浜市立大学は、病院経営人材育成のために、附属2病院(横浜市立大学附属病院、附属市民総合医療センター)をモデルとした横市大オリジナル「病院経営シミュレーション」を開発した。
昨今、医療を取り巻く環境が大きく変化するなかで、医療機関が提供する医療サービスの質はさらなる向上が求められており、経営の効率化とサービスの質の向上を同時に達成することは医療機関の喫緊の課題となっている。
横市大附属2病院は、地域への貢献という病院のミッションを理解し、経営幹部のサポート、経営管理を主体的に業務遂行できる事務職員の育成が急務と捉え、病院経営・病院運営の仕組みを体系的に学ぶツールとして「病院経営シミュレーション」を創作㈱とともに開発した。
今後は、附属2病院合同で病院事務職員を対象とした研修プログラム(YCU病院事務職員基礎研修)を企画し、必要な知識を学ぶ機会を、年間を通して展開していく予定。同シミュレーションは、YCU病院事務職員基礎研修におけるプログラムの一つとして位置づけ、座学で学んだ〝知識〟を仮想病院の経営というシミュレーションで活用し、病院経営を〝知り〟〝やってみる〟から〝できる〟という実感へつなげる。
さらに、単に収益を上げることだけを目指すのではなく、附属2病院の果たすべき役割である地域への貢献度向上を目指す。
【病院経営シミュレーションの概要】
同シミュレーションは横市大完全オリジナルの机上で行うゲーム型シミュレーション。参加者は、附属2病院の特徴や環境等、実態に合わせた架空の病院を運営し、グループで1人の病院経営者として、10年間の病院経営を体験する。
グループには経営改善のためのさまざまなアイデアが用意されており、どのアイデアを実行するかはグループ内で話し合って決定。アイデアを実行することで生じる効果や影響により、初診・入院患者数が変動し、病院全体の収益状況や体制に変化が生じてきます。1つの経営判断が病院全体に及ぼす影響をゲーム感覚で体験することができる。
(詳細)
○対象:附属2病院に所属する事務職員
○1グループあたり3~5人
○シミュレーション1回につき20人程度実施可能
○実施時間:約3時間半