農林水産省では、食と農のつながりの深化に着目した国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を展開している。この運動による官民協働の取組の一環として、JAL(日本航空)と連携し、「ミステリーカレーツアー『華麗にマイル!』」と題して、身近な「カレー」を題材に食材の生産地を訪ね農の現場に触れるミステリーツアーを企画し、このツアーのコンセプトムービーを2月7日からニッポンフードシフト公式ウェブサイトで公開している。
JALがニッポンフードシフトの推進パートナーに
「ニッポンフードシフト」は、日本が抱える「食」や「農」に関わる課題に対し、新しい時代にふさわしい日本の「食」のあり方を考える機会を創出し、消費者、生産者、食品関連事業者、日本の「食」を支えるあらゆる人々と行政が一体となって考え、議論し、行動する国民運動。
現代の日本では、「食」は外部化・簡便化が進み、その一方で都市を中心に消費者と「農」との距離が遠くなり、農業や農村に対する国民の意識・関心が薄れつつある。こうした状況は、食料自給率の低下や食料安全保障の観点から解決すべき課題となっている。
JALでは、農林水産業の人手不足や食料自給率の低下など、様々な地域課題の解決に貢献すべく、「JALふるさとプロジェクト」の一環として、農泊の推進や農業の魅力発信、地域産品の高付加価値化と販売促進などに取り組んできた。
こうした背景の下、JALは今回、「ニッポンフードシフト」の推進パートナーとして登録し、〝空から、ニッポンフードシフト。〟をコンセプトに、地産地消のガストロノミーツアーの推進、「食」と「農」の大切さを体感できる教育型ツアーの提供などに取り組むこととした。消費者と生産者との距離を近づける機会を引き続き創出することで、食料自給率の低下などの課題解決を図るとともに、農林水産業の更なる振興を通じた地域活性化を目指していくとしている。
第1弾はカレーがテーマ
今回、JALは推進パートナーとしての具体的な取組の第1弾として、「ニッポンフードシフト」がフォーカスしている国民食「カレーライス」をテーマに、「ミステリーカレーツアー『華麗にマイル!』」と題して、情報発信や新たな人流の創出に取り組むこととした。
直前まで目的地が分からない〝ミステリーツアー〟で、到着後は参加者が農業に触れながら食材を集め、カレーライス作りを体験してもらうことで、旅行としての楽しみを味わいながら、実体験を通じて「食」や「農」への関心を高めることが狙いだ。
ツアーのコンセプトムービー公開
ミステリーツアーのコンセプトムービーが、JAL公式YouTubeチャンネル「JAL on YouTube」や国内線機内エンターテインメントプログラムなどで公開されている。
このコンセプトムービーは、特に「食・農離れ」が課題となっている若い世代にも興味を持ってもらえるよう、Z世代の2名が、食材集めからカレーライス作りまでを体験することで、日本各地の食材や農業の魅力に気づいていくストーリーとなっている。