2023年2月28日 【順天堂大】湧永製薬と共同研究契約を締結 熟成ニンニク抽出液が肺線維症進行に及ぼす影響解明へ

順天堂大学と湧永製薬㈱(本社:東京都新宿区)は、「ニンニク含有成分を用いた肺線維症治療の検討」に関する共同研究契約を2月1日に締結した。肺の線維化進行に対する熟成ニンニク抽出液の効果や機序について明らかにすることを目的とするもの。順天堂大の加藤元康助教を研究代表者とし、同助教らの研究グループが有する肺線維芽細胞を使った肺線維化抑制評価実験とブレオマイシン肺線維症モデルによる動物実験により、熟成ニンニク抽出液と含有 成分の肺線維化進行に及ぼす効果や作用機序の解明について、来年3月までを第1期共同研究として進める。以降は臨床応用研究への展開を視野に入れている。

間質性肺炎の一種である肺線維症は、免疫異常や薬剤、環境因子などが原因となり、肺の間質という部分に線維化が起こる難治性疾患。原因がはっきりしない特発性肺線維症や、あらゆる肺線維症の中でも進行性の線維化を伴うケースは特に予後不良となる。

これらの病気では抗線維化薬が治療に用いられるが、既存の薬剤では進行速度を遅くする程度の限定的な効果であるのにも関わらず副作用が多いのが現状。このため、より有効で、副作用の少ない新規薬剤の登場が待たれている。


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