大学2年生以上の学業成績は、1年前の学力以外の思考・行動パターンで予測可能―。東京医科歯科大学が民間企業と行った計測・分析で、こうした可能性が示唆された。特に2年時の成績は、約1年前に測定したコンピテンシー(高い成果につながる行動・思考パターン)のスコアの〝誠実さ〟〝感情コントロール〟〝解決意向〟の他者評価スコアで、ある程度予測できる可能性があることもわかった。〝誠実さ〟などのコンピテンシーが低い大学生に、この行動特性が向上する支援を行うことで、成績向上が期待することができるという。
この研究は、東京医科歯科大が医学部医学科カリキュラム管理運営の一環として、Institution for a Global Society㈱(IGS)の協力のもと、同学科学生を対象に実施したもの。
大学生の成績予測モデルにより、大学は学生一人ひとりをケアすることが難しいなか、必要な学生を見つけて早期に支援することができ、より多くの学生の成績を伸ばしやすくすることができる可能性がある。両機関では今後、得られた所見の普遍性に関して、研究活動として分析する予定だ。