2023年2月20日 戦争時、2割が「何もしない」 日本財団が若者意識調査、徴兵制は反対が大勢

若者の2割が、外国との武力衝突が生じ、自身や身近な人に危害が及ぶ可能性があったとしても、戦闘員として志願するといった行動を行わないと考えていることが、日本財団の17歳から19歳までのハイティーンを対象に行った意識調査で明らかとなった。「戦闘員として志願し、戦う」と答えた若者も同程度いる。調整制導入は男女とも8割前後が反対した。

 

平和の要因は「非核三原則」

日本財団の若者調査は「環境」「新型コロナ」「女性の生理」など多岐にわたるテーマで行われており、53回目となる今回のテーマは『国家安全保障』。調査では、現在のわが国を取り巻く状況について「平和である」との回答が男女とも60%を超えた。

平和であると考える主な要因としては、男女とも「非核三原則の存在」がトップ。男女別では、男性が「日米同盟の存在」「平和主義を規定する憲法の存在」と続くのに対し、女性は「平和主義を規定する憲法の存在」が2位、「自衛隊の存在」が3位となった。

日本にとって今後5年間で脅威となると思われるものとしては、男女とも「日本周辺で他国が行う戦闘や他国間での紛争の影響」が1位で、半数以上が恐れを感じている。男女とも「他国による日本への武力攻撃」が続く。

今後5年間でわが国が他国と武力衝突する可能性は「50%以上ある」と回答した若者が3割以上を占めた。軍事的脅威と感じる国としては北朝鮮が6割を超え、男女とも中国、ロシアが続いた。

 

認められる「支援」で男女差

また、現行の条約や憲法、法制度に関わらず、もし仮に第三国から侵略を受けた他国に対する日本が行うべき「支援の範囲」について尋ねた。男性は「非軍事支援と軍事物資支援(他国の防衛用(防弾チョッキ等)・他国の攻撃用(武器))のみ行っても良い」が最多。女性は「非軍事支援と軍事物資支援(他国の防御用)のみ行っても良い」が最多で、男女で許容度に差がみられた。パーセンテージはいずれも約3割となった。

過去や現在居住している、または居住していた自治体の近くに自衛隊の基地や駐屯地が「ある」と回答した人は、非軍事支援と軍事物資支援に加えて軍事介入まで行っても良いと回答した人が「ない」「わからない」と答えた人と比べて多く、約26%にのぼった。

一方で、現行の条約や憲法、法制度に関わらず、もし仮に日本が核兵器に対する姿勢を見直す場合、行ってもよい保有方法等についても若者の考え方を聞いた。核兵器に対する考えは、国内製造、輸入核兵器の保有、同盟国による国内での核兵器配備のいずれについても、女性のほうが男性よりも「行ってはならない」が多く、いずれにもついても50%以上を占めている。男性は女性よりも「行っても良い」との回答が多く、回答占有率は20%前後となった。

 

戦闘以外の方法で協力

徴兵制制度導入の是非は、「反対」が男性は76%、女性が85%。多くの若者は徴兵されることを認めないことが浮き彫りとなった。また、今後わが国で徴兵制が導入され、自身を含む国民が戦闘員として戦地で戦う可能性については、男女とも「可能性はない」との回答が2割弱。他方、男性の四分の一が「50%以上可能性がある」と考えていることも判明した。

日本と外国の間で戦争・武力衝突などが生じた時の行動としては、被害が及ぶ可能性がある範囲に関わらず、男女とも「戦闘以外の方法で協力する」が最多。自分の身近な人や自分自身に危害が及ぶ可能性があるケースでは、男性は「戦闘員として志願し、戦う」との回答者が2割前後存在する一方、「何もしない」との回答も同程度存在した。


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