2017年1月24日 被災地企業の支援プログラム 産総研福島再生可能エネルギー研究所が公募

国立研究開発法人産業技術総合研究所は、福島再生可能エネルギー研究所が取り組む平成29年度「被災地企業のシーズ支援プログラム」の公募を行っている。

支援対象は、東日本大震災によって甚大な被害を受けた福島、宮城、岩手の3県の被災地に所在し、復興地域において将来の経済波及効果が期待される企業による再生可能エネルギー関連の技術やノウハウなどの「シーズ」。

産総研は、平成26年度に福島県郡山市に福島再生可能エネルギー研究所を開所。同研究所などを活用し、シーズの事業化に向けた技術支援を実施するとともに、成果の企業への技術移転を通じて、被災地域における新たな産業の創出を目指す。

募集する課題は、3県の企業がそれぞれ市場において新規性・優位性を持つ自社開発シーズをもとに、再生可能エネルギー関連分野における販路開拓や事業化を目指す課題で、客観的な結果を提供することなどが可能な課題を募集する。例えば―

【太陽光発電分野】では、○太陽電池の製造や製造に必要な材料などに関して、省エネ、コスト減、高効率化などの効果が期待できるもの、○太陽光発電の特性を評価するために必要な装置などに関するもの、○太陽光発電の発電量のモニタリングや故障個所を診断する装置や技術に関するもの。

【風力発電分野】では、○風力発電を設置するための風況測定やアセスメントに関するもの、○風力発電の性能向上に資する技術や普及のための障害を削減するもの。

【地熱地中熱分野】では、○地熱発電の開発に資する地熱貯留層のモニタリングに関わる技術などに関するもの、○地中熱利用に関わる熱交換井の高度化に関するもの。

【蓄エネルギー分野】では、○再生可能エネルギーの導入量を高められる蓄エネルギーに関するもの、○再生可能エネルギーの導入量を高められる水素を用いたエネルギー設備に関するもの、○再生可能エネルギーの導入量を高められる蓄熱や熱利用設備に関するもの。

【再生可能エネルギー管理分野】では、○再生可能エネルギー、蓄エネルギー、熱電併給設備などを含むシステムに関して、省エネ、コスト減、高効率化などの効果が期待でき、再生可能エネルギーの導入量増大が期待できるもの。

新たな産業の創出を目指す

ただし、「シーズが確認できない」、「採択決定日から平成30年3月末日までの実施期間内に終了の見込みがない」、「自社が開発したシーズではなく、外部のシーズを評価するもの」、「アイデアのみで試作品などがなく、産総研がシーズを評価できない」、「ビジネスプランのみで、申請企業が事業化などに必要な技術・知見などを有しない」、「製品に対する一般的な規格試験のみで、産総研による技術的支援を伴わない」などといった課題は審査の対象とはならない。

実施体制としては、産総研と採択企業が共同研究契約を締結し、研究を通して技術支援を行う。必要があれば、他に企業や国公私立大学・高専、公的研究機関などを加えることが可能だ。


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