帝人株式会社と関西大学の田實佳郎教授らは12日、脈拍のモニターが可能なひも状のウェアラブルセンサー「圧電組みひも」を開発したと発表した。女性が装着しやすいようファッション性を重視したチョーカータイプのものも同時に公開している。
今回開発したセンサーは、日本の伝統工芸である「組みひも」の技術を応用し、1本で「伸び縮み」や「曲げ伸ばし」、「ねじり」といった動きのセンシングを実現した。素材には、圧力を加えると発電し、逆に電気を加えることで伸縮する繊維を使用。結び方によって感度を変えられる特性も持ち、脈拍のほかに飲みこみや咳の検出などもできる。データは、無線を通じて送ることができるため、スマートフォンでのモニタリングも可能だ。低ノイズ、高感度を実現しており、はんだ付けも不要。小型コネクタで容易に機器と接続することもできることから、開発チームは一般産業用のセンサーとして幅広い用途での使用が期待できるとしている。
会見で田實教授は、「女性にも受け入れられるように、従来のウェアラブルデバイスに欠けていたファッション性や着用感などを意識した」と、組みひもの結びの手法を利用したデザイン性や、チョーカーなどにして着用できる仕組みを強調。さらに、「まずはスポーツアパレル関係やメディカル用途での実用化を、そしてペットの見守りサービスなどへの実用化にも期待したい」と、今後の多様な市場展開への意欲を伸べた。