第64次南極地域観測隊(伊村第64次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」(波江野艦長)は、現地時間12月24日午前11時21分(日本時間午後5時21分)、昭和基地の沖合約260mの定着氷に到着し、昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たした。「昭和基地接岸」は、昭和基地内の貯油タンクへ燃料をパイプライン輸送するためのホース展張ができる沖合(東オングル島沖合約1㌖以内の定着氷)に「しらせ」が到着すること。
第64次隊の行動計画は、新型コロナウイルスの感染防止を実施しつつ、オーストラリアに寄港して物資や燃料を補給したうえで、昭和基地沿岸への航海を行う計画となっている。今般の接岸までは、概ね計画どおりに進捗している。今シーズンは、往路でのラミング(※)回数は535回にのぼった。
南極地域観測隊は、一年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地に搬入することとしており、予定どおりに輸送が完了すれば、2月1日に第63次越冬隊と交代して第64次越冬隊が一年間の越冬観測を開始することになる。
※ ラミング:勢いをつけて氷に乗り上げ、船体の重さで氷を砕いて進む砕氷行動