クルーズ船は、寄港地を中心に一度に多くの観光客が訪れ、グルメ、ショッピングなど地域での消費が生まれるとともに、外国人観光客との交流が進展するなど、地方創生に大きく寄与するものである。2016年(1月~12月)の訪日クルーズ旅客数は、前年より78.5%増の199.2万人、クルーズ船の寄港回数は38.8%増の2018回で、いずれも過去最高を記録したことが、国土交通省の調べでわかった。国交省では、「明日の日本を支える観光ビジョン」(昨年3月30日)に掲げられた目標である「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」の実現に向けて、今後も引き続きクルーズ振興の取り組んでいく方針だ。
我が国へクルーズ船で入国した外国人旅客数(訪日クルーズ旅客数。法務省入国管理局の集計による外国人入国者数の速報値で概数(乗員を除く))は、2015年に約111.6万人と初めて100万人を突破し、2016年は前年と比べ78.5%増の199.2万人とさらに大きく増加し、過去最高を記録した。
クルーズ船の寄港回数
2016年のクルーズ船の我が国港湾への寄港回数(調査では、船内で1泊以上するクルーズ船の寄港回数を対象とし、日帰りクルーズ船は対象外とした。また、寄港回数には沖に停泊して乗船が通船で上陸した場合も含む)は、前年比38.8%増の2018回となり、過去最高を記録した。
港湾別にみると、博多港が328回(前年第1位:259回)で最も多く、次いで長崎港が197回(前年第2位:131回)、那覇港が193回(前年第4位:115回)となっている。
外航船社が運行するクルーズ船の我が国港湾への寄港回数は、中国からのクルーズ船の寄港増加などから、過去最高の1444回となった。
港湾別にみると、第1位が博多港の312回(前年第1位:245回)で、第2位が長崎港で190回(前年第2位:128回)、第3位は那覇港で183回(前年第3位:105回)だった。
日本船社が運行するクルーズ船のわが国港湾への寄港回数は、574回であった。
港湾別では、前年に引き続き横浜港が最も多く87回(前年第1位:88回)で、次いで、神戸港が72回(前年第2位:55回)、名古屋港が31回(前年第3位:30回)となっている。