明治政府が近代国家を整備する目的で鉄道を開業して今年で150周年を迎えた。開業後、国有鉄道(国鉄)に続いていくつもの私有鉄道(私鉄)が生まれ、全国隅々まで鉄道が整備された。しかし、その後の自動車普及や過疎化に伴い、地方の鉄道を取り巻く環境は厳しさを増し、現在、鉄道各社は生き残りをかけた改革を迫られている。
東急グループ創立100周年でもある今年、同グループの礎を築いた五島慶太翁を初代理事長とする学校法人五島育英会が運営する東京都市大学、五島慶太翁を輩出した長野県青木村、さらに東急グループの上田電鉄が協力し、鉄道の新しいあり方と地域活性化を考える実証実験を022年12月18日実施する。
同実証実験は、青木村等への観光のきっかけ作りと同時に地域の日常生活の支援を目的とするもので、具体的には上田電鉄の2両編成の電車を利用し、1両には長野県小県郡殿戸村(現青木村)を紹介する企画展示、もう1両には地元住民の生活を支援するための日用品に加え青木村等の土産品の販売スペースを設ける。