早稲田大学の中垣隆雄教授をPM(プロジェクトマネージャー)とし、同大理工学術院の秋山充良教授らの研究グループと、㈱ササクラ(本社:大阪市)の島田統行氏らによる提案が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」(実証研究エリア)で、プロジェクト『海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証と応用製品の研究開発』として採択された。
同プロジェクトでは、広島県・大崎上島の実証研究エリアで供給される石炭ガス化複合発電由来のCO2と、1日あたり20㌧の海水を用いてカーボンリサイクル技術のパイロットスケールの試験を実施する。あわせて、CO2を炭酸マグネシウムとして固定化し、コンクリート用の人工細骨材や壁面材として利用するための製造法も同時に開発する。
今回の研究では、現地の回収CO2と1日当たり20㌧の海水を起点として、前事業で開発した共飽和法とビーズミルによる研削鉱物化法を中心とした新プロセスを採用し、炭酸マグネシウムへのCO2固定化技術を実証する。
得られた炭酸マグネシウムは新開発のコンクリート用の人工細骨材をはじめ、壁面材などの建築材へ利用し、それらの製造法も同時に開発。国内火力発電所に付設された海水淡水化プラントを想定し、同発電所のCO2分離回収システムと組み合わせたCO2固定化の熱物質収支と経済性評価に関するフィージビリティスタディを実施する。