慶應技術大学の福澤諭吉記念慶應義塾史展示館で2022年度秋季企画展「福澤諭吉と『非暴力』-学問のすゝめ 150年-」が10月17日から12月17日まで開催される。『学問のすゝめ』初編初版本(明治5年、慶應義塾福澤研究センター蔵)などが公開される。
福澤諭吉が今から150年前に刊行を開始した『学問のすゝめ』。日本人の誰もがその名と冒頭の一句を知る古典となったこの本は、多くの人々に学ぶことの重要性を気付かせるだけでなく、行動を促した。
同展では『学問のすゝめ』が直接のきっかけとなって、千葉県の小さな村落の人々が行動を起こした「長沼事件」に光を当てる。政治に対する異議を、力ではなく言葉によって根気強く示していくことで、この国を真の意味で自分たちのものにしていく-。村民たちとの交流の中で、福澤諭吉が描いた理想を考える。
『学問のすゝめ』初編初版本をはじめ、「三田演説日記」(明治7年、慶應義塾図書館蔵)、「福澤諭吉が長沼村民に贈った書《無我他彼此》」(慶應義塾横浜初等部蔵)、「長沼絵図」(宝永5年、成田市長沼区蔵・成田市立図書館収蔵)などが展示される。
さらに、「下総国下埴生郡長沼村捕魚採藻の図(明治15年頃、部分、成田市長沼区蔵・成田市立図書館収蔵)、「成田市立豊住小学校校庭の「独立自尊」の碑」、「福澤諭吉筆長沼村民願書下書」(明治9年3月、慶應義塾福澤研究センター)もそれぞれ見ることができる。