東北大学文学部創立100周年事業の一環として、文学部のホームページ上にデジタルミュージアム『歴史を映す名品』を開設公開した。
東北大附属図書館には、〝知の巨人〟と評される狩野亨吉(かのうこうきち・1865~1942)が収集した古典籍の宝庫「狩野文庫」や文豪・夏目漱石(1867~1916)の旧蔵書や遺品をまとめた「漱石文庫」など、文学部の研究にゆかりの深い歴史資料が数多く収蔵されている。
一方、発掘や調査によって収集された考古遺物が考古学研究室、宗教家の河口慧海(1866〜1945)によって入手されたチベット資料が東洋・日本美術史研究室によって管理されるなど、貴重な実物資料も伝わる。
これらの資料的価値は一部の専門家によって認知されてきたが、市民らには存在すらほとんど知られていないのが実状。
同学部では、まさに100周年を迎えたこの機会に、詳細な解説と美しい画像によって資料の重要性を広く世に発信することで、文学部の存在意義を多くの人々が再確認するきっかけにしたいとしている。
特に執筆者へのインタビュー動画は、文学部での学問がいったい何を目指しているのか、それぞれがいかなるモチベーションで研究に臨んでいるのかを端的に示す意義深い内容となっている。同学部では「ぜひご覧いただけましたら幸いです」と多くの閲覧を呼び掛けている。