大塚商会は介護業務支援プラットフォーム「FURO‐SHIKI」の提供を1日から始めた。介護現場にある複数の見守りIoT機器やナースコールなどを束ねて、異なるシステムの情報を一元的に管理する機能を搭載。業務の効率化や生産性の向上を後押しするのが狙いだ。来年3月までに100社への導入を目指す販売目標も掲げている。
介護現場では生産性の向上や職員の負担軽減のため、見守り機器やICTの活用などが進んでいる。一方で、機器を導入すればするほど管理画面が増え、逆に業務の負荷が増すというジレンマがあった。
FURO‐SHIKIでは、情報の一元管理によってこうした課題を解消。さらに、集約された情報は蓄積されていく仕組みのため、将来的に科学的介護の根拠となるデータの解析や、情報に裏付けされた介護の提供にも対応可能な作りになっている。
FURO‐SHIKIが管理できるのは、見守りIoT機器、ナースコール、介護記録ソフトでそれぞれ4種類ずつ。今後は繋がることが出来る機器やICTを積極的に増やしていく方針だ。
1事業所あたりの利用料は1000円(税別)。ただし、これはプラットフォームのみの金額で、このほかに見守り機器の導入費用や利用料が別途必要になる。そのため、最終的に必要となる金額はセンサーやカメラの台数によって決定。具体的には、1部屋あたりで見守り機器自体が約20万円、センサーが約4万円、カメラが約4~8万円程度を想定しているという。
大塚商会は、「本サービスの導入で、一元化された情報をスタッフが共有できるようになる。それによって、職員間の連携や根拠のある介護サービスの提供が可能になり、利用者本位の高品質なサービスが実現できる」と説明。さらに、「1人ひとりのスタッフが各種情報にアクセスすることは、意識的にデータ解析に基づくサービス提供を行うことにつながり、それが働きがいやモチベーションの醸成に役立つ」としている。