ケアマネジャーの〝実践知の言語化〟を図る − 。日本介護支援専門員協会の新たなプロジェクトだ。先月末に開催した社員総会で今年度から着手することに決めた。
ケアマネジメントの質の向上につなげる取り組みの一環。ケアマネが日々の活動の中で活かしている様々な知識、経験、技術、思考など(実践知)を集約・整理し、より体系的に見える化(言語化)することを目指す。それを誰もが分かりやすく共有できるようにし、個々のレベルアップや後進の育成などに役立てていく考えだ。
七種秀樹副会長は狙いについて、「熟練した介護支援専門員の知識、経験、スキルを集結させる。介護支援専門員が本当に持っていなければならない普遍的な能力とは何かを明らかにしていく」と説明。「そうした〝実践知〟を若い人などへ確実に伝承していける仕組みを作りたい。一部の人の経験だけに頼るような形ではなく、しっかりと普遍性のある〝実践知〟に基づくスーパービジョンが行われるようにしたい」と述べた。
協会はこの事業を今年度、来年度と続けていく方針。ディテールは今後の検討となるが、まずはインテーク、アセスメント、プランニング、サービス担当者会議、モニタリングといったケアマネジメントプロセスで使われる〝実践知〟を幅広く集めていく。差し当たりおよそ100名の熟練したケアマネに協力を得るという。
七種副会長は「ベテランが個々の場面で何を考えているか、どう分析しているか、どう判断しているかを1つ1つ言葉にしていく。単に〝何をやるか〟ということだけでなく、〝そこでどう考えるべきか〟を示していきたい」と語った。そうして言語化したものが普遍的であるかどうかを、更に数百人のケアマネに見てもらいブラッシュアップしていく計画も披露。「介護支援専門員がこの20年強の間に積み重ねた実践の成果を集約していく作業。議論はオープンな形で進めていく。かなり大掛かりな事業となるが、専門職の団体として自分達でしっかり取り組みたい」と話した。