2022年7月13日 【産総研】三菱電機と「Human-Centricシステムデザイン連携研究室」を設立 パーソナルwell‐being社会に向けた革新技術と産業を繋ぐCPSを融合したシステムデザインへ

国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と三菱電機㈱は、産総研情報・人間工学領域 インダストリアルCPS研究センター(東京都江東区)内に、「三菱電機-産総研 Human-Centricシステムデザイン連携研究室」を7月1日に設立した。

CPS(Cyber-Physical Systems)はコンピューター上の空間であるサイバー空間と、現実世界であるフィジカル空間を連携させるシステムの概念。「産業を繋ぐCPS」とは、CPSを人と協調するロボット、センサーなどと融合した技術として、製造業を軸としつつ、すべての産業に適用することを指す。

わが国では近年、少子高齢化による生産年齢人口の減少が社会課題となっている。その対策として、製造業を含む全ての産業分野では、従業員の仕事の質(QoW:Quality of Working)と労働生産性の向上が求められている。

また、新型コロナウイルス禍の影響でリモートワークの普及が進むなかでは、自宅やサテライトオフィスなど働く空間の快適性も注目されている。

このような社会の要求に対応するには、人を主役とした考え方に基づいて、個人のQoWに着目し、その働き方や体調に応じて実力を最大限に発揮できる環境を作り出す必要がある。

このためには、物理的・地理的空間の制約を受けない制御や、個人の能力に応じて複数の業務を行うことが可能な仕組みを構築することが重要。

今回両者が設立する連携研究室は、「イノベーションの先に目指すべき『豊かな未来』」を目指し、一人ひとりが快適で健康的な「パーソナルwell‐being(ウェルビーイング)社会」に向けた革新技術の開発と、「産業を繋ぐCPS」を融合したシステムデザインの実現に取り組む。

この取組のなかで、三菱電機が保有するQoWを高めるための機器制御技術や効果検証技術、産総研が保有する人間計測・評価技術や生産性向上に向けたCPS構築技術などの研究開発を進めることにより、QoWの高い快適な労働環境による生産性向上や高度な快適性を届ける統合ソリューションの実現を目指す。


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