日本科学未来館は7月8日、同日スタートする初の全館イベント「Miraican FES‐ミライキャンフェス‐」にあわせて、常設展の新設計画を含む今後の活動方針を発表した。〝人の年齢による変化〟〝AI・ロボット〟〝地球環境〟に関する新常設展を来年度以降の公開を目指して企画・開発。さらに、テーマを数か月ごとに入れ替えるシリーズ企画、外部連携や人材育成の強化など‐5件の取組を進める。未来館では、「一人ひとりが自分らしく生き、ワクワクする未来をつくっていく社会の実現に貢献するため、ミュージアムの枠を超えてさらなる変化を目指します」としている。
今回発表した活動方針は、浅川智恵子館長が昨年4月の就任時に掲げた『Miraikan ビジョン2030「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」の実現に向けた具体策。科学技術をわかりやすく伝えるだけでなく、さまざまな課題解決や未来社会づくりに取り組む研究者・企業などの最先端科学技術に、年代や国籍、障害の有無などに関わらずあらゆる人がいち早く触れ、体験できる場(プラットフォーム)づくりを推進する。
こうした新しい未来館を実現するため、①ひとの未来、②つくる未来、③みんなの未来、④未来をつくる、人をつくる、⑤サステナビリティ&アクセシビリティ‐という五つの取組を掲げた。①ひとの未来では、〝人の視点〟を切り口に、未来を考える入り口として、⑴Life(ライフ)、⑵Society(ソサイエティ)、」⑶Earth(アース)、⑷Frontier(フロンティア)‐の4テーマを設定。
この四つの入口から、展示やイベント、実証実験などを展開する。特に、「Mirai can NOW(ミライキャンナウ)」という枠組みでは、2~3ヵ月ごとにテーマを入れ替え、先端科学技術の〝いま〟に触れ、体験する機会を提供する。
また、多様なパートナーとの連携や科学コミュニケーターの育成、館自体のサステナビリティとアクセシビリティの取組なども強化する。
あわせて新スローガン〝Mirai can_!未来は、かなえるものへ。〟を定めた。「Mirai can」に続く空白には、一人ひとりが未来を自分の事として考え、願いを託してほしいという想いが込められている。
浅川館長は「環境問題や感染症などにより、未来への不透明性や不安を感じる場面も少なくありません。そんな今だからこそ、一人ひとりが前向きに、それぞれの未来を描き、その可能性を未来館の新しい取り組みを通じて感じてもらいたいと考えています」とコメントしている。