2022年7月4日 【国際文化会館】地経学・経済安全保障分野の民間独立シンクタンクを設立、所長に鈴木東大公共政策大学院教授が就任

公益財団法人国際文化会館(所在地:東京都港区)は7月1日付で、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)と合併した。

合併後の最初の取り組みとして、APIがこれまで手掛けてきた国際関係・地域研究・地政学の分野のプロジェクトを発展的に統合・改組した「地経学研究所(Institute of Geoeconomics:IOG)」を設立。さらに、所長として鈴木一人東京大学公共政策大学院教授が就任した。

鈴木所長は、立命館大学国際関係学部卒、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て現職。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)を務めている。

APIが昨年12月に公表した「経済安全保障に関する日本企業100社アンケート」では、グローバルに活動する日本企業が、米中の狭間で、さらには経済活動と安全保障という二つの要素の間で、どのようにバランスをとったらよいのか、不透明性と事業への影響に苦悩する姿が浮かび上がった。

2022年に入り、ロシアによるウクライナ侵略とロシアへの経済制裁の長期化、経済安全保障推進法の成立など、世界は、冷戦後のグローバリゼーションの時代から、国際経済と地政学の戦略が渾然一体となる「地経学」の時代へと、大きく変わりつつある。

自由で開かれた、持続可能な未来をつくるためには、日本はどうしたらよいのか。また、グローバルに活動する企業は、どのように情報収集をし、リスクとコストのバランスをどう取ればよいのか。このような問題意識から、亀澤宏規氏(㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役代表執行役社長グループCEO)、新浪剛史氏(サントリーホールディングス㈱代表取締役社長)、森田隆之氏(日本電気㈱代表取締役執行役員社長兼CEO)の3氏が発起人となり、新たな地経学研究所が設立されることとなった。

地経学研究所は、民間・独立のシンクタンクという立場から、APIや国際文化会館がこれまで築いてきた欧米のシンクタンクや国内外の政・官・財・学とのネットワークを最大限活用しながら、アジア・太平洋地域を代表する知の交流の拠点となり、グローバルでより高いインパクトを発することを目指す。


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