総務省は23日、昨年度の行政相談の実績を取りまとめた。それによると、受付件数は12万47件。令和2、3年度は、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、定例相談所(市区町村役場等で開催)における対面での相談受付の一定期間中止などにより件数が減少した。受付窓口別にみると、行政相談センター「きくみみ」が7万7509件(64.6%)、行政相談委員が4万2538件(35.4%)となっている。
昨年度に受け付けた国・独立行政法人等の事務に関する相談を行政分野別にみると、①健康・保険、医事・薬事、②登記・国籍等、③社会福祉、④雇用・労働、⑤国税・地方税の順に多い。
昨年度の新型コロナウイルス感染症に関連する相談の受付件数は、1万7479件(総務省本省・総務省行政相談センター「きくみみ」の受付件数)となった。感染者が我が国で確認された令和2年1月以降、4年5月までの総受付件数は、3万9742件となっている。
昨年度の新型コロナウイルス感染症に関する相談受付件数の内訳をみると、生活への影響(個人・家庭向けの支援、事業者向けの支援等)が5549件(31.7%)、感染対策(水際対策、個別の感染対策、検査・治療体制)が4542件(26.0%)、ワクチン接種等が2757件(15.8%)、情報発信の在り方が333件(1.9%)、相談窓口の対応への不満が227件(1.3%)、政府対応に関する意見・照会等(他の区分に該当しないこと、全般的なこと等)が2257件(12.9%)、その他が1814件(10.4%)であった。
昨年度の相談傾向として、新型コロナワクチンに関する相談の増加(4月~8月)、感染状況の一時的な収束とともに相談件数の減少(9月~12月)、感染拡大(1月~2月)による相談件数の増加(保健所の業務のひっ迫で連絡が取れない国民からの相談等)がみられた。また、各種給付金など個人・家庭向けや事業者向けの支援に関する意見・相談が多く寄せられた。
大規模な災害が発生した場合、被災者への速やかな情報提供、きめ細かな相談対応を行うため、様々な特別行政相談活動を展開している。
昨年7月及び8月の大雨では、①被災者に対する支援制度や相談窓口をまとめたガイドブック(支援措置の窓口リスト)の提供(4県(青森県、静岡県、島根県、佐賀県)の総務省行政相談センターにおいて提供)、②特設巡回相談所や局所の相談窓口で被災者の方々からの相談を受付(2県(静岡県、島根県)の総務省行政相談センターにおいて、2市で延べ6回開設)を実施した。
昨年度の外国人からの相談件数は166件で、このうち英語メールは22件あった。
相談の内訳は、国・独立行政法人等の事務が107件(64.5%)、地方公共団体の事務等が46件(27.7%)、民事が13件(7.8%)となった。
また、国・独立行政法人等の事務のうち、要望・陳情が41件(38.3%)、照会が60件(56.1%)、苦情が6件(5.6%)となっている。