2022年6月21日 【横市大】コロナ患者における入院時の腎機能障害と重症度が急性期の予後不良因子となることを証明

■ポイント□

〇患者の約34%に入院時腎機能障害を確認

〇12%が院内死亡、ECMOと人工呼吸器の使用、ICU入室が必要

〇入院時の腎機能障害は有意にこれらの発生リスク上昇と関連

〇腎機能障害の重症度や蛋白尿の有無が主要評価項目の発生リスクと関連

 

横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター内科の佐藤亮佑医師ら研究グループは、新型コロナウイルス感染症患者での入院時の腎機能障害と重症度が急性期の予後不良因子となることを証明した。新型コロナ感染症患者の入院時の腎機能がもたらす急性期の予後への影響を検討。入院時に腎機能障害が認められたコロナ患者は、腎機能障害がない患者と比較して、院内死亡、体外式膜型人工肺(ECMO)と人工呼吸器の使用、集中治療室(ICU)入室の合計で構成する主要評価項目の発生リスクが有意に高いことを明らかにした。さらに、入院時の腎機能障害が高度なコロナ患者は、主要評価項目の発生リスクが有意に高いことも解明した。

この研究を行ったのは、佐藤医師をはじめ松澤泰志講師、日比潔准教授、木村一雄客員教授および横浜市立大学大学院医学研究科循環器・腎臓・高血圧内科学の田村功一主任教授、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科の坪井伸夫准教授、横尾 隆教授、埼玉医科大学腎臓内科の岡田浩一教授ら。

この研究は、厚生労働科学特別研究事業として国内8施設に新型コロナのために入院した患者500名を対象とした多施設共同研究で、コロナ患者の入院時の腎機能障害と急性期予後との関連性を明らかにした国内初の研究。

この研究成果により、今後コロナ患者の初期の腎機能障害が、重症化に影響する予測因子の一つになることが期待される。

この研究成果は日本腎臓学会誌「Clinical and Experimental Nephrology」にオンライン掲載された。


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