牛丼チェーン大手の店舗で夜勤をしていたスタッフが朝方に倒れて亡くなったことを受けて、医療職、介護職、福祉職でつくる労働組合の「なくせワンオペ!プロジェクト」が10日に声明を発表した。
「夜勤者は複数配置を原則とし、職員が安心・安全に働ける環境を」と主張。それを実現できる水準まで介護報酬などを引き上げるよう国に求め、「深夜労働の健康被害も言われているなかで、〝ワンオペ夜勤〟は労働者の安全配慮に欠く」と改めて問題を提起した。
施設系、居住系の介護現場では、事業所ごと、またはフロアごとのワンオペ夜勤が日常的に行われているのが実情。当の牛丼チェーン大手は今回の死亡事例を受けて、早朝の時間帯も含めてワンオペを廃止することに決めたと説明している。
労働組合は今回の死亡事例について、「もしワンオペ夜勤でなければ救えた命だったかもしれない。深夜労働は日中と違い、誰かとすぐに連絡がつく時間ではなく、体調不良になっても助けを呼びづらい」と指摘。「介護・福祉の現場では、職員の命だけでなく利用者の命にも直結する課題」と強調し、介護報酬などの引き上げを重ねて訴えた。