2022年6月16日 【東京医歯大】が清水区で地域医療プロジェクト AIとリモートテク用い心房細動を早期発見

東京医科歯科大学、静岡市、静岡市清水医師会は三者の共同事業として、昨年度から「AI及びリモートテクノロジーを用いた心房細動の早期発見により清水区を脳梗塞の少ないまちにする地域医療プロジェクト」(略称:SPAFS(エスパフス)を展開している。

このプロジェクトは、不整脈の一種である心房細動を発見するもの。心房細動は加齢とともに発症率が上昇し、国内の患者数は約100万人と報告されている。心房細動の合併症として、最も重篤なタイプの脳梗塞である心原性脳塞栓が知られている。

脳血管疾患は国内の寝たきりの主要な原因で、わが国の寝たきり患者の五人に一人は心原性脳塞栓が原因という報告もある。重篤な脳梗塞を予防するためには、心房細動を早期に発見し、脳梗塞予防の治療を行うことが重要となる。

心房細動は、発作時の心電図によって診断可能で、診断されれば脳梗塞予防の治療が可能。しかし、心房細動は発症初期には発作性であり、心電図検査の際に発作が出ていなければ診断されない。

また、心房細動発作時に動悸などを自覚して病院を受診する人もいるが、約40%では自覚症状がないため、気づかないうちに心房細動を発症していることがある。このような状態を、〝隠れ心房細動〟と呼んでおり、隠れ心房細動の患者数は少なくとも100万人と推定されている。

隠れ心房細動では、治療を受ける機会がないまま、ある日突然重症の脳梗塞を発症し寝たきりになってしまうおそれがあり、早期発見がアンメット・ニーズとなっている。


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