国立研究開発法人理化学研究所(理研)は、IPジェネレーター㈱(IPG)との間で、6月3日付で、創薬シーズから高品質の新薬を効率的に創出するIPGプラットフォームに、理研からの有望な創薬シーズを取り込むための創薬に関する連携契約を締結した。
この契約は、創薬に関する連携の基本的な仕組みを定めたもので、㈱理研鼎業の支援を受けて締結した。この契約によりIPGは、理研の保有する創薬シーズを選定し、理研と共同で研究開発後、高い付加価値を有する臨床開発候補品を製薬企業に導出する事業を展開することが可能となる。
製薬業界では、今後個別化医療という考え方に基づき事業を推進する企業が増加すると考えられている。その結果、少量多品種の薬を個別ニーズに即して人々に届けることを目標とした研究開発戦略が浸透し、多くの新薬候補品を効率的に創出するニーズが一層高まると予想される。
IPGが対象とする有望な創薬シーズは、グローバルのアカデミアや製薬企業など幅広い研究機関から募集する予定で、同契約によりアカデミアからの創薬シーズ取り込み拡張の大きな一歩を踏み出せたとしている。
理研の岡﨑 寛創薬・医療技術基盤プログラムディレクターは、「理化学研究所では、基礎的なバイオサイエンスとテクノロジーから創薬の構成要素である〝ターゲット〟と〝モダリティー〟を見出し、医療アンメットニーズに応える創薬活動を続けて来ています。今回のIPGプラットフォームとの連携は理研の持つ強みをさらに引き出し、理研鼎業との連携のもとで社会的な価値への効率的な転換を推し進める内容だと認識しています」と述べている。