■ポイント□
〇Web媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive」を完全リニューアル
〇最新シリーズ『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界観にプロジェクト全体をアップデート
〇5月31日からタチコマ・セキュリティ・エージェント等の無償ダウンロードを開始
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)サイバーセキュリティネクサスは、Web媒介型攻撃の実態把握と対策技術の向上のため、2018年に開始したユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive」を再起動し、アニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』シリーズの世界観にプロジェクト全体をアップデートするとともに、各種のユーザビリティを向上した。プロジェクトへの参加を可能にする新しいタチコマ・セキュリティ・エージェント及びタチコマ・モバイルの無償ダウンロードを5月31日午後2時から行っている。
多様化・巧妙化を続けるサイバー攻撃。Webサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染するWeb媒介型攻撃による被害は今もなお続いている。Web媒介型攻撃は、悪性のWebサイトを閲覧したユーザーだけに攻撃が行われるため、正確な実態把握が困難だった。
NICTは2018年に、アニメ『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズとタイアップし、ユーザー参加型プロジェクト「WarpDrive」を開始した。「WarpDrive」では、PC向けに「タチコマ・セキュリティ・エージェント」(タチコマSA)、スマートフォン向けに「タチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル」(タチコマ・モバイル)を無償配布。参加ユーザーのWebアクセスの観測、分析、攻撃検知、ブロック、警告等を行い、Web媒介型攻撃の実態解明や対策展開を目指してきた。
今回、NICTで昨年4月に発足した新組織サイバーセキュリティネクサスで、「WarpDrive」を再起動し、最新シリーズ『攻殻機動隊 SAC_2045』とのタイアップを開始。同作品の世界観にアップデートした。
さらに、タチコマSAは、PCへのアプリケーションのインストールを不要とし、Chromeブラウザの拡張機能のみで動作可能とすることで、初期導入が容易になった。また、タチコマSAからユーザーに通知があった際のヘッドライン表示を改善し、通知履歴を確認できるメニューを追加。通知に関して運営側とやり取りができる窓口も加えた。
タチコマ・モバイルは、Android 11に対応するとともに、スマートフォンのセキュリティレポートを表示する機能を追加するなど、ユーザビリティが大幅に向上した。
「WarpDrive」は、今後もタチコマSAとタチコマ・モバイルのユーザビリティ向上やゲーム要素の追加など、継続的なアップデートを行うことで、より多くの参加ユーザーを募り、Web媒介型攻撃の実態解明や対策展開をさらに進め、Web空間の安全性向上を目指す。