■ポイント□
〇PBL型学修プログラムで地域課題解決
〇きらぼし銀行が活動費用等サポート
〇地域資源活かしたサービスや商品開発
中央大学商学部では、2019年4月から「ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム(SEP)」というPBL(課題解決型学習)型の学修プログラムを設置し、地域の活性化をめざして奥多摩三村(東京都檜原村・山梨県小菅村・山梨県丹波山村)の地域課題解決に取り組んでいる。
中央大は、㈱東京きらぼしフィナンシャルグループと㈱きらぼし銀行と、昨年3月に包括連携に関する基本協定を締結。今回、SEPの趣旨に賛同した㈱きらぼし銀行は奥多摩三村へ「企業版ふるさと納税」による寄附を行った。
こうした取組により、中央大商学部のSEP所属の約100名もの学生は、奥多摩三村を通じて㈱きらぼし銀行から、活動に必要となる交通費や商品・サービス開発等費用面での援助をはじめ、授業内でのサポートや成果発表の機会提供などさまざまな支援を受け、これまでにない新しい「産・官・学」のスキームで奥多摩三村の地域課題解決に取り組む。
地域連携型PBLでSDGs実践人材を養成
中央大商学部では、将来のキャリア形成に直結する実践的な学修ができる「プログラム科目」を設置している。科目事業の一つである「ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム(SEP)」では、地域連携型PBLによりSDGsを実践するビジネス人材を育成することを目標としている。
2019年3月からは、山梨県北都留郡の小菅村、丹波山村および東京都西多摩郡檜原村の奥多摩三村とSDGsの理念を共有し、地域連携型PBLに基づくSDGsを実践するビジネス人材の育成を目的とした交流・連携に関する協定を締結している。
この協定に基づき、「ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム」では、奥多摩三村(檜原村・小菅村・丹波山村)が抱える課題を特定し、課題の解決に向け大学生ならではの視点で、各村の地域資源を生かしたサービス・商品開発に取り組んでいる。学生の中には、村に住みながら遠隔で大学の授業を受け、村の仕事に取り組む者や、大学卒業後に村の企業に就職する者も出てきている。
また、各村には、中央大学商学部のサテライトオフィスを設置し、遠隔で授業や会議を実施することが可能で、自治体や地元NPO法人との緊密な協力体制のもとプログラムを進めている。
これまで、「特産品のゆずワインをつかったチョコレート土産の開発・販売」「伝統継承のため村内神社のオリジナル御朱印帳制作・販売」(檜原村)、「森林の働きを循環させるために主伐期を迎えた木材を活用して木製骨壺を企画・制作」「規格外野菜のロスを無くすためキッチンカーを出店」(小菅村)、「来村きっかけをつくるために特産品と温泉チケットのセット商品を企画・販売」「地芋の生産維持を目指した地芋ソフトクリームの企画・販売」(丹波山村)‐といった実績を生み出している。