文部科学省が今国会に提出していた「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」が11日、参議院本会議において可決、成立した。
この改正法は、公立の小学校等の校長及び教員の任命権者等による研修等に関する記録の作成並びに資質の向上に関する指導及び助言等に関する規定を整備し、普通免許状及び特別免許状の更新制を発展的に解消することを目的とするもの。
グローバル化や情報化の進展により、教育を巡る状況の変化も速度を増している。このような中で、教師自身も高度な専門職として新たな知識技能の修得に継続的に取り組んでいく必要が高まっている。また、オンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など、教師の研修を取り巻く環境も大きく変化してきた。
文科省では、このような社会的変化、学びの環境の変化を受け、令和の日本型学校教育を実現するこれからの「新たな教師の学びの姿」として、主体的な学び、個別最適な学び、協働的な学びが必要だと考えている。
このため、今後、今回の改正を踏まえ、個々の学校現場や教師のニーズに即した新たな研修システムを整備するとともに、文科大臣が定める教師の資質向上に関する指針の改正や、それに基づくガイドラインを新たに策定することを予定している。
教員免許状の有効期限に係る施行日は今年7月1日となっているため、文科省は、教員免許更新制の解消に伴う教員免許状の取扱いについても、別途分かりやすく周知する。
文科省はまた、全国で「新たな教師の学びの姿」が構築できるよう、現場の教師を含む関係者や関係団体の意見も聴取しながら、同省として必要な取組を着実に進めていく方針。