水産庁は、今年3月にとりまとめられた新たな「水産基本計画」と「漁港漁場整備長期計画」について、地方公共団体、漁連、漁協、漁業団体、水産加工・流通団体、漁業者などの関係者に幅広く周知するため、5月17日から6月9日にかけて全国6会場で順次説明会を開催する。各説明会の様子は、ウェブ会議システムを通じて傍聴することができる。
3本柱を中心に施策を展開していく新たな「水産基本計画」を策定
今年3月に閣議決定された新たな「水産基本計画」では、今後10年程度を見通し、海洋環境や取り巻く社会・経済の変化など水産業をめぐる状況等を考慮し、持続性のある水産業の成長産業化と漁村の活性化の実現に向けて、▽海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理の着実な実施 ▽増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現 ▽地域を支える漁村の活性化の推進 ― の三本の柱を中心に水産に関する施策を展開していくとしている。
さらに、このほか水産物の持続的な発展に向け横断的に推進すべき施策として、スマート水産技術の活用やカーボンニュートラルへの対応、新型コロナウイルス感染症対策、東日本大震災からの復興、水産物の自給率目標等について、今後の水産政策の展開方向を示している。
重点課題、目指す姿を示して計画的に漁港漁場整備事業を推進
同じく3月に閣議決定された新たな「漁港漁場整備長期計画」では、今後5年間に重点的に取り組む課題を ▽産地の生産力強化と輸出促進による水産業の成長産業化 ▽海洋環境の変化や災害リスクへの対応力強化による持続可能な漁業生産の確保 ▽「海業(うみぎょう)」振興と多様な人材の活躍による漁村の魅力と所得の向上 ― の三点に明確化するとともに、目指す姿と成果目標・事業量等を設定し、計画的に漁港漁場整備事業を推進していくとしている。
新たな計画やデジタル水産業戦略 拠点について説明を行う予定
今回の説明会では、こうした計画について関係者に幅広く周知することを目的としたもの。5月17日には、東京会場(農林水産省7階講堂(東京都千代田区))で開催。続いて5月24日に北海道会場(ACU SAPPORO大研修室1614(北海道札幌市))、26日に仙台会場(TKPガーデンシティ仙台ホール30A(宮城県仙台市))、6月2日に神戸会場(神戸地方合同庁舎1階共用第4会議室(兵庫県神戸市))、6日に境港会場(夢みなとタワー多目的ホールA(鳥取県境港市))、9日に福岡会場(福岡国際会議場2階多目的ホール(福岡県福岡市))での開催が予定されている。
各会場では、新たな「水産基本計画」、「漁港漁場整備長期計画」のほか、デジタル水産業戦略拠点について説明が実施される。
また、説明会は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で開催するとしている。