横浜市立大学は、3月20日から21日に開催された一般財団法人全日本野球協会(BFJ)、公益財団法人日本野球連盟(JABA)主催、日本野球科学研究会協力のもと開催された「第1回野球データ分析競技会」で、同大大学院チームが最優秀賞を受賞した。
同競技会は、3名1チームで行われ、決勝1日目に出題された課題データを検討・分析し、翌日の決勝2日目にプレゼンを実施。審査委員やプレゼンを聴講した参加者による審査評価により成果を競い合う。
今回栄えある最優秀賞に輝いたのは、データサイエンス研究科博士前期課程2年の飯塚大智さん、石井伴直さん、真田 猛さん。「競技力向上に向けた提言~投手と打者の観点から~」をテーマにプレゼンを行い、高い評価を獲得した。
プレゼンでは、課題データの提供から成果提出まで約20時間と限られた時間のなか、主催者から与えられた〝競技力向上〟の課題のもと、野球のトラッキングデータを分析。提供される課題データの詳細が不明確であったことから、幅広く分析案を用意し競技会に臨んだことが今回の成果の要因のひとつとなった。
打者の観点では、打球の「飛距離」に着目して打球の「回転数」や「回転軸」が打球に及ぼす影響について分析した。打球の回転軸が180度に近い「バックスピン」と呼ばれる打球や、打球の回転数が少ない打球が飛距離を伸ばすために重要であることを明らかにした。
投手の観点では、「フォーク」という球種に着目し、〝空振りの取れる特徴量〟を分析した。フォークで打者から空振りを奪うには、縦の変化量が大きく、投手がボールを放すときの地面に対する角度を低くすることが重要であることが分析により判明した。