2022年5月20日 【名大】新型コロナウイルスの不活化を実現 卓上型エアカーテン装置を開発

■ポイント□

〇距離確保が難しい条件でもエアロゾル粒子を遮断

〇ウイルスを検出限界まで不活性化

〇メンテナンス間隔1万時間以上、長期連続稼働が可能

 

名古屋大学未来材料・システム研究所の内山知実教授と天野 浩教授、さらに大学院医学系研究科の八木哲也教授らの研究グループは、新型コロナウイルスSARS-CoV‐2を不活化できる卓上型のエアカーテン装置を開発した。エアカーテン気流の制御技術に深紫外線LEDの照射によるウイルス不活化注特性を活用した、医工融合技術による成果。

この研究は、名大医学部附属病院、国立病院機構名古屋医療センターの岩谷 靖雅 部長、アポロ技研㈱、フジプリグループ㈱、㈱アイディーネットとともに行ったもの。

新型コロナウイルスの蔓延を抑制するには、対人距離の確保が有効であると提言されている。しかし、病院やクリニックなどでの問診、採血、治療などの医療行為では、十分な距離の確保が困難な場合が多々あり、患者と医療従事者のウイルス曝露リスクの低減が緊急かつ重要な課題となっている。

今回、十分な対人距離の確保が難しい状況下でも、呼気に含まれるエアロゾル粒子を遮断できる空気壁(エアカーテン気流)を生成する卓上型エアカーテン装置を開発した。さらに、本装置に併装する新奇のウイルス不活化装置の開発にも成功した。

この装置は、エアカーテン気流に深紫外線LEDを照射してウイルスを不活化するものであり、名古屋医療センターでSARS-CoV‐2ウイルスを用いた実験を実施し、ウイルスを検出限界まで不活化できることを確認した。

この装置を用いれば、エアカーテン気流で感染性飛沫を遮蔽することができ、また気流そのものを常にウイルスフリーの状態に保つことができる。しかも、ウイルス不活化に深紫外線 LED照射を用いるためフィルタは不要であり、本装置のメンテナンス間隔はLEDの寿命に相当する1万時間以上と長く、長期連続稼働が可能。

この研究成果は、5月17日付国際科学専門誌「AIP Advances」に掲載された。


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