■ポイント□
〇親子でのDIYを通し、おうち時間を楽しく学べる成長の機会に変える商品を短大生が開発
〇地元企業との共同開発DIY商品をクラウドファンディングで公開することで、地場産業の活性化とDIY文化の普及に寄与
〇マーケティングを学ぶ短大生が、潜在顧客にヒアリングして商品開発する実学の取り組み
近畿大学短期大学部商経科頭師暢秀(ずし のぶひで)教授ゼミの学生らが、㈱田邊金属工業所(大阪市)、㈱ながやR(同)、㈱松下工作所(大阪府東大阪市)と連携し、おうち時間を家族の思い出に変えるDIYキット「多目的整理棚:まるっちワゴン(Multi Wagon)」を共同開発した。4月29日から、クラウドファンディングサイト「Makuake」で販売している。
学生は昨年4月に近畿大学内に開設されたモノづくりの実学実践拠点「THE GARAGE」を活用してアイデアソンを実施した。また、潜在顧客とのフォーカスグループインタビューを経た試作品製作など、マーケティング手法を駆使して、商品コンセプト、仕様、商品名の策定から、クラウドファンディングサイトのコンテンツ制作まで担当した。マルチに使え、使う人や年齢に合わせて使い続けることができるこの商品を、まだ世の中にないアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を通じて販売している。
「まるっちワゴン」には、時間を大切にという学生の願いが込められている。コロナ禍で拡大するおうち時間を、親子でDIYすることによる最高の思い出づくりの時間とし、子どもが片付けと時計・時間の管理を学ぶ機会とすることを目的に開発した。
容易に組み立てられる構造で設計された整理棚は、場所を選ばないデザイン性を備えるとともに、耐久性の高い木材を使用し、埃を巻き込みにくい高性能キャスターがあることで、室内清掃や模様替え時の利便性を高めている。
また、自分の指で動かせる時計には、文芸学部文化デザイン学科3年の川口萌乃香さんが描画したマグネットを採用し、かわいいながらも明確に、子どもの日常の予定を視覚化する優れたデザインを実現している。