2022年4月15日 【順天堂大】IBMとメタバースを用いた医療サービス構築へ共同研究を開始 順天堂医院の実物をオンライン空間で模した「順天堂バーチャルホスピタル」を起点にした新サービスの開発・提供

□ポイント■

〇メタバース技術で時間と距離を越えた新たな医療サービスを研究開発

〇アバターとしてバーチャル病院訪れ、患者らと交流

〇治療を疑似体験、不安・心配を軽減

 

順天堂大学と日本アイ・ビー・エム㈱(本社:東京都中央区)は、「メディカル・メタバース共同研究講座(講座代表者:服部信孝順天堂大医学部長・研究科長)」を設置し、産学連携の取り組みを開始した。この共同研究講座では、メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組む。

昨今、医療業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、臨床現場でのオンライン診療の活用が拡がっている一方で、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の技術進化を受けて、臨床現場でのVR/AR活用に向けた研究が進んでいる。

また、3次元の仮想空間で、アバターを通じて活動する「メタバース」と呼ばれる概念も注目されている。

今後は、臨床現場でのオンライン診療やVR/ARの活用に加えて、メタバースの応用が進んでいくことが予想される。

共同研究講座では、メタバースを使った医療サービスの構築、臨床現場における有効性の検証に取り組み、患者や家族へのより良い医療の提供へつなげることを目指している。

内容としては短期実施テーマと中長期実施テーマに分けて、以下の取組を並行して進める。

①短期実施テーマとして、メタバース空間で順天堂医院を模した「順天堂バーチャルホスピタル」の構築や、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境を検討していく。また、ユーザーはアバターとしてバーチャルホスピタルを訪問し、医療従事者や患者さん、家族などと交流できることを目指す。

②また、外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」を構想しています。他にも、バーチャルホスピタルで、説明が複雑になりがちな治療を疑似体験することによって、治療に対する患者の理解を深めたり、不安や心配を軽減できるかの検証を予定している。

③中長期実施テーマとして、メタバース空間での活動を通じて、メンタルヘルス等の疾患の改善が図れるのかを学術的に検証する計画。


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